【君の膵臓を喰べたい】
公園、高架鉄橋下、路地裏、駐車場と思しき造営施設、河川敷-。
喰種と対喰種駆逐機関との烈しい戦闘が上記で行われる訳だが、それが目撃者なり野次馬なり 市井の人々の眼に晒されるのかとゆうと、全くそんな事は無く。寧ろこの街に人は居ないのかと思う程 まるで市民の顔が見えない映画である。
しかしながら、本作主題系が「世を忍び蔑まれるマイノリティの悲痛な叫び」である事を鑑みると、本作品の市民は 気づいていないのではなく『実際には気づいているのに無視している』様に思えてならない。
評価懸念、傍観者効果、準拠集団への同調、責任の分散-。
気付かない筈がないイジメ、差別、モラルハザードに、尚頑なに気づこうとしない空気な多数派。
喰種達の渾身の叫びは、誰にも届く事はない。
《劇場観賞》