きよぼん

銀魂のきよぼんのレビュー・感想・評価

銀魂(2017年製作の映画)
1.0
劇場ではたくさんのお客さんからドッカンドッカン笑いが起こってました。でも反対に自分の心はスクリーンから離れていくばかりで・・・あれれ、オレのセンスは古いのかなあ?とショックでしたが、乗れなかった理由を書いてみます。

宇宙人が支配する現実とは違う江戸時代。これはOK。
劇中、ギャグ満載。これもOK。
登場人物の価値観が、現代人から見て違和感がない。これだってOK。

「ドラゴンボール」や「ガンダム」などの小ネタがたくさん登場・・これは自分的には全然ダメ!でした。

劇中の架空の登場人物が、現実社会を認識したメタ発言が多すぎる。

「ヒーローとして言ってはいけないことを言ってるぞ」とかいうギャグは、パターンを笑うものだからいいのです。きっと別の世界でも共有できる笑いだからです。でも、「まるで●●みたいだな!」という現実にあるマンガなどの固有名詞が出てきて「あーそれ知ってる」という笑いが山ほどある。

これが現実社会が舞台なら「ガンダム」や「ワンピース」がどんどん登場しても違和感がありません。でもこの特殊な江戸時代という設定に現実の世界の固有名詞が出てくると、観客側の気持ちがお話から離れてしまいます。結果、映画にのめりこむことなく、コスプレショーにしか見えなくなります。そういったネタがストーリーとうまく絡むならまだしも、ほとんど関係ないところでまで出してきて笑いをとるのは、自分としては受け入れられないところでした。

もちろんマンガの実写化というのは、どうやったってコスプレショーにしか見えないので、それを逆手にとってこういった演出をもってこられたのはわかります。しかし物語としての「非現実」を構築することを捨てて「日常」へ寄った結果、コスプレの悪ふざけにみえてしまっています。

これがテレビドラマなら「日常」の中でみるものなのでいいと思うのですが、映画のスクリーンという「非日常」では気持ちの食い違いがありました。

再度言いますが、自分のセンスが古いだけかもしれません。この作品を面白いという人を否定するつもりはありません。こういう映画だって全然アリですし、福田雄一監督の作品も好きなモノが多いです。それ以前に「映画は何でもアリ」なのです。

「何でもアリ」なのですが、正直この作品を勘違いした、やりすぎ作品が出てこなきゃいいがなー、とおっさんは思ってしまいます。「映画は何でもあり」だけど、やっぱり一線はあると思うので・・
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