KouheiNakamura

ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring YearsのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

5.0
ロックンロールは鳴り止まないっ!

様々なジャンルにおいて未だに世界に影響を及ぼし続けている伝説のバンド、ザ・ビートルズ。この映画では彼らが最も忙しく世界中を飛び回っていたツアー時代を中心に彼らの足跡を追っていく。ポールやリンゴ、そして豪華メンバーによるインタビュー映像も豊富。ロン・ハワード監督によるテンポのいい編集、語り口、出来事の取捨選択もお見事。本編終了後にはシェイ・スタジアムでのライブ映像も見られて、大満足の一本だ。

さて。僕がビートルズに初めて出会ったのは中学生の時。英語の先生が授業中に聴かせてくれた「HELLO GOODBYE」が最初だった。もちろんそれまでも「HELP」や「HEY JUDE」などを耳にしたことはあったのだが、ちゃんと意識し始めたのはこの時。以降歳をとるにつれて中期以降のロックバンドとしてのビートルズに魅了されたり、シンプルな初期も改めて聴いてみたりしてすっかりハマってしまった。
僕が思うビートルズの魅力は、やはり常に変化し進化し続けていくその探究心にある。初期はアイドルバンド然とした恋の歌が多かったのが、次第にメンバーそれぞれの個性を活かした楽曲が増えていった。歌詞も哲学的なものや、語呂のいい単語を並べたもの、人生の苦みや渋みを含んだものなど次第に多様化していった。それに合わせてサウンドも変化し、ハードロック調になったり、インド音楽を取り入れたり、テープの逆再生や環境音を入れてみたり…と実に様々だ。
世界中が知るポップな曲もあれば、ロックバンドとしての野心に満ちた曲もある。こんなバンドは中々出てこないし、仮に出て来たとしてもビートルズ程の熱狂を持って受け入れられることもないだろう。
たった10年で解散したバンドが今でも人々の心を動かし続けているのには、そんな訳があるのだ。

またこの映画を観ることで改めて発見したビートルズの魅力。それは、ライブバンドとしてのビートルズの凄さだった。特典映像であるシェイ・スタジアムでのライブ映像を見れば、それは明らかだ。観客の大歓声や不十分な音響設備にも関わらず、あれだけの演奏ができることには驚かされるばかり。見ているだけで思わず立ち上がりたくなるほどの高揚感を味わえて、本当に嬉しかった。

ビートルズ入門としても、大満足の一本。オススメです!
KouheiNakamura

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