サラリーマン岡崎

マンハントのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

マンハント(2018年製作の映画)
3.7
※何故か所々吹替なので、口の動きと声が合いません。
(日本人俳優のところも日本語で吹替されてます)
※内容は薄いですし、ツッコミどころ満載のトンデモ映画です。
ここら辺をあらかじめ了承しておけば、
楽しめます。

1976年の高倉健主演「君よ憤怒の河を渉れ」のリメイク。
ジョン・ウーもこの作品を当時見て、
昭和の日本らしい渋い映画を撮りたい!
と思ったんでしょう。

なので、トーンは全体的に渋い。
冒頭からいきなり昭和テイストの音楽が流れ、
キザなセリフが続きます。
切ないキザなシーンが続き、
唯一笑える様なところも少し一昔前のやりとりの様。
また、切ないシーンでの
スローモーションの多様化。

そして、アクションは逆に香港映画っぽい。
様々な道具や空間的制限で観客をハラハラさせます。

だからこそ、現代の日本人はこの映画が安っぽくみえる。
でも、なんだか懐かしい感じもする。

僕は平成生まれなので、
昭和のドラマも香港アクション映画も
そこまで知らないですが、
それでも、「最近こういう映画なかったなー」と感じてしまうほどです。

子供の頃金曜ロードショウとかで流れ、
何も考えず、ただ迫り来るアクションと謎解きの数々の中で、
家族でハラハラしながら、アドレナリンを放出させてた。
あの時の興奮と似てる。

今は映画を見て、色々考えてしまって、
こんなレビューとかしちゃってるけど、
感覚として、そういうものに興奮する心は持っているんだなとしみじみしちゃいました。

平成になり、世の中は複雑化してきて、
作品も複雑化していく。
それはそれで面白い。
けど、バブルの時の様に、
自らの興奮に身を任せて、ゾクゾクするのも悪くないと思う。
お祭りだ。