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22年目の告白 私が殺人犯ですのFilm日記係のレビュー・感想・評価

3.4
ストーリーとしてはまぁまぁだった。
連続殺人事件の犯人の曾根崎雅人(藤原竜也)が時効になって公の場に姿を現し、世間の注目を集める。その一方で被害者遺族たちは当時の記憶が呼び起こり、再び悲しみや怒りにさいなまれる。また22年前捕まえ損ねた警察官の牧村航(伊藤英明)は目の前にいる犯人を捕まえたくても法律により阻まれている。犯人が22年の歳月を経て姿を現した理由を掘る下げていくストーリーだった。
個人的にには序盤の藤原竜也の変に落ち着きのある言動が殺人犯とマッチしてなくて微妙だな~って思っていたが、ストーリー中盤のどんでん返しによって、色々納得でき、その場面は結構楽しめた。
しかし、終盤は盛り上がりに欠けた気がする。割と先読みが出来て最後の結末への驚きがほとんどなかった。

この作品の1人目の主人公といえる藤原竜也は既存のイメージに当てはめられたものではあるが、登場人物の中では1番感情移入出来たし、言動の動機も理解でき、演技としては良かった。
もう1人の主人公といえる伊藤英明は思った以上に感情的になることがなく、終始冷静であまりキャラクターとして上手く掘り下げられてなかった。ただ、中盤に感情が急に溢れ出すシーンは逆に不意を突かれた。
この2人の主人公以上に、事件を真相を追究するニュースキャスターを演じた仲村トオルの演技は個人的に素晴らしく感じた。論理的に深く切り込む、いかにもキャスターだなぁ~っという感じが出ていた。

映像面では、あらゆる視点やカメラから人物を映していて、リアリティーや緊張感が出せていて良かった。

(以下ネタバレ)
曾根崎雅人(藤原竜也)は、実は牧村航の妹の婚約者の小野寺拓実(野村周平)であることが、ストーリー中盤で分かる。フラッシュバックの中では小野寺拓実は関西弁で話していたので、その後の会話で出来れば藤原竜也が関西弁で話した方が、いち人物としてもっと奥深く出来たと思うなぁと感じた。

面白さ:0.6 脚本:0.7 人物・演技:0.8
音楽:0.6 映像:0.7
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