Rocko

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~のRockoのレビュー・感想・評価

3.9
※作品の感想ほぼなし。
アカデミー賞発表前日に鑑賞。

Amazonのあらすじにすっかり騙されました。
メタル歴●十年、メタル愛好者の私が聴いた限り、まず作品の冒頭で主人公のドラマーが演奏していた音楽ジャンルは“ノイズコア”じゃないでしょうか。“メタル”ではないです。
よって“メタルドラマー”でもありません。プロの方々のレビューでもジャンル表記は滅茶苦茶ですが、真の音楽好きだけが冷静に「ハードコアじゃん」と言ってる印象。
どうせメタルなんて日本では認知度が低い“ヘビメタ”呼ばわりだし・・・呆れ。

作中で主人公が“GISM”と書かれたTシャツ着ていましたが、G.I.S.Mは日本を代表する“ハードコアバンド”です。
(Youth of Todayも着てた。これもハードコア)
G.I.S.Mはヘヴィメタル色が強めなハードコアでもあり、メタル界に浸透しているデスボイスや演奏が下手で有名なパンクから派生したハードコアの中でメタルの影響からかギターが上手かったりするので、それに似た音楽を演っていたとして”ハードコア/メタル”ドラマーと表記されるならまだわかります。
(これを略して万が一“メタルコア(ドラマー)”と書かれてしまったら、現在のメタルコアはこれまた全く別物なので論外)
あらすじは“ハードコアドラマー"又は、ただの"ドラマー”が正解だったのでは。

メタルとハードコア何が違うのかって、これを書き出したら連載になってしまう上に全く需要が無いと思われるので書きませんけど、わかりやすく言えばハードコアは暴力的なシャウトが特徴。
そこでタイトルの『Sound Of “Metal”』とは?となった訳ですが、Metalは金属音のことでありました。
もしタイトルを音楽のMetalとも意味を掛けるのであれば、音楽ジャンルをもっとわかりやすいメタルにしなければ私には納得が行きません。
だって無理やりG.I.S.Mから推測したんだぜ?
(タイトルでマニアックなミスリードまで狙ってたとしたらスコア+0.3。)

監督は『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』の共同脚本でもあるダリウス・マーダー。
『サウンド・オブ・メタル』の構想に13年、制作に10年を費やしたとのこと。『プレイス~』のストーリーは大好きなので、なぜ音楽ジャンルをノイズコアにしたのかだけ問いたいです。(←しつこい)

作品の感想も少しだけ書いておきましょう。
動から静への展開、難聴を障がい視点ではなく、一人の人間ドラマとして描かれているところに感銘を受けました。(感想終わり)

イヤホン・ヘッドホン推奨映画とされているようですが、長年のライブ通いと爆音を浴び続け、聴力テストで引っ掛かるようになった私から言わせていただくと、「イヤホンやヘッドホンによる難聴障がいを踏まえた上でヴォリュームに気を付けて鑑賞しましょう」です。
いや、むしろ耳を大事にしたかったら普通に観て。

最後にもう一つだけ。私の旦那は結婚する前“メタルドラマー”でした笑
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