ゴン吉

妖怪百物語のゴン吉のレビュー・感想・評価

妖怪百物語(1968年製作の映画)
4.0
昭和を代表する妖怪特撮時代劇。
藤巻潤、高田美和、平泉征、坪内ミキ子、ルーキー新一、神田隆、五味龍太郎らが共演。
ベースは江戸時代の落語家である初代林家正蔵の怪談。  

強欲な商人・但馬屋(神田隆)は寺社奉行(五味龍太郎)と結託し、社と隣接する長屋を壊して岡場所を建てることに。但馬屋の寺社奉行への接待の席で、余興として妖怪の講談”百物語の催し”が開かれるが、最後に行うべき慣例の”憑きもの落としのおまじない”の代わりにの賄賂の小判で催しを終えてしまう。但馬屋は住民の意向を無視して社を壊すが…

昭和を代表する大映の特撮作品のひとつで大映妖怪三部作の第1弾。
強欲商人と収賄奉行に長屋に住む貧しい町民が苦しめられるという時代劇の王道ストーリーをベースに妖怪が登場して悪者を懲らしめるという懲悪勧善の痛快時代劇です。
土転び(つちころび)の逸話で始まり、江戸の本所の殺生禁断の池での二人の釣り人の祟り話に加えて、ろくろ首、化け提灯、火の玉、のっぺらぼう、大首、油すましなどのお化けが登場します。
襖の落書きから飛び出す一本足のカラカサも興味深い。
クライマックスでは沢山のお化けが登場して百鬼夜行を繰り広げてワクワクです。
子供向けの作品ではないので、大人から子供まで楽しめる特撮作品です。
「この世には人知で計り知れぬ不思議なこともあるもんだな」
ゴン吉

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