妖怪百物語の作品情報・感想・評価

「妖怪百物語」に投稿された感想・評価

長屋住まいの貧困層を苦しめている強欲な権力者たちが、百物語の余興を軽んじたことにより、異形の者の報復行為を受ける。大映京都が当時の妖怪ブームに便乗するかたちで製作した、大映妖怪シリーズの第1弾。

ガメラの造形師でもある八木正夫が妖怪のデザインを担当しているのだが、全体的に水木しげるの影響が色濃く出ている(後に水木しげるが本作を漫画化)。妖怪の特殊造形はきわめて良好であり、「妖怪役」を演じている役者陣が、被り物とメイクアップで一所懸命に百鬼夜行を再現しているのが素晴らしい。

怪談の様式美に則った演出を見せてくれる妖怪が「ろくろ首」「置いてけ堀」「のっぺらぼう」ぐらいしかいないのが残念だが、尺の都合を考えると致し方なし。ルーキー新一が襖に描いた「カラ傘お化け」の落書きが、アニメーションとなり動き始めるシーンが白眉となっている(これは私の幼少期のトラウマシーンでもある)。

余談だが、本作で清楚なヒロインを演じている高田美和は、1982年度の日活ロマンポルノ「軽井沢夫人」でヌード女優に転身している。
戯連堂

戯連堂の感想・評価

5.0
百鬼夜行が実写で観られる幸せ。(デッカい火の玉が激突しても怯まない妖怪💓)一番怖かったのは、林家彦六の口調!出来ることなら唐傘とダンス希望!
私腹を肥やしてた 悪い連中が、妖怪達の怒りを買い 取り憑かれて死亡 あ~スッキリした。
からかさ お化けが可愛いかった👻
『大魔神』の製作スタッフが集結して作った大映特撮映画、という言葉につられて観たが、観てみたら、「オイオイ…」の作品だった。

物語は、悪い奴らが弱い者いじめ(この映画の場合は、長屋などからの立ち退き)をして、妖怪に懲らしめられて……という単純なもの。

特撮といっても、見慣れた妖怪(ろくろ首、傘お化けなど)が出る程度。
2018/4/24時点でHD画質で観られるのはAmazonプライム・ビデオだけみたいで、レンタルした。

妖怪は悪しき者の心に映る自分の姿、とでも言わんばかりに妖怪たちが悪者を翻弄する。そして、心にやましい所がない者には面白おかしくユニークなキャラクターとして現れる。なんだかゲゲゲの鬼太郎にも通じる妖怪の立ち位置にホッコリ。

それにしても新吉、いいね。君がいたからこの映画はいろんな意味でバランスが取れた。最高。

このレビューはネタバレを含みます

悪いやつは破滅するっていうよりかは、信心深い日本人を表したような映画。
ポンコツおぼっちゃまが傘おばけと仲良くなるシーンなんかは心がほっこりする。
呪いって一体なんだろう。
よくわからないがよくもまあこんなにうまく妖怪を沢山だしたものだ。
昔ながらの特撮といった味わいがあり、チープに見えるのに妖怪の雰囲気があり、よい。
百物語をするのであらば、しっかりとお祓いの儀をすべきだし、そもそもそういうことに手を出すのもよくないなと思う。
horahuki

horahukiの感想・評価

3.9
町の有力者の但馬屋が極悪奉行と結託して、金儲けのために沢山の人々が住んでいる長屋を取り壊そうとしていた。そこの住民である主人公は、この悪行を阻止しようと但馬屋主催の百物語に潜入するもバレてしまう。そして住民たちの頑張りも虚しく取り壊しが始まってしまい…という話。

こういうの大好き♫
時代劇+怪談(妖怪)+特撮は最強ですね!
妖怪の特撮がめっちゃ良い味出してて最高です♫怖がらせようとしてくる不気味なやつから、愛されキャラにしたかったのだろう妖怪まで沢山出てきます。その愛されキャラのはずの「から傘おばけ」なんですけど、残念ながら普通に気持ち悪いっていう…。ちなみにジャケの真ん中のやつです。

そんで、地味に見せ方がうまい!
全部着ぐるみとか作り物なんですけど、普通に怖いんですよね。やっぱり妖怪とか怪談は時代劇の雰囲気にめっちゃ合ってて怖さ倍増!子供の頃に見てたら多分トラウマレベル(笑)

でも妖怪はクライマックスまでほとんど出てきません。基本は、金儲けのことしか考えてない悪い奴らに町民たちが虐げられる時代劇です。何とかして自分たちの住むところを奪われまいと頑張る町民たちですが、金持ちが権力者と結びついてるから全部もみ消されるという理不尽さ。見てるだけで腹が立ってきます(笑)

一応、勧善懲悪ものの体を成してはいますが、『大魔神』のように完全な勧善懲悪ものにはしていないのが面白いです。

悪いことをした輩が妖怪に襲われていくんですけど、それは悪いことをしたからというより、百物語のしきたりに従わなかったから。百物語が終わったら、とある儀式をしないといけないというしきたりがあります。この作品に出てくる悪い奴らはそれをしなかった。それだけなら良かったと思うんですけど、そいつらはその儀式の代わりに賄賂的なものを配るということをしたんですね。これは妖怪を馬鹿にする行為。もっと言えば神に対する冒涜。だからこそ彼らは妖怪たちに襲われた。これは、神を冒涜した輩に対する罰を勧善懲悪ストーリーとシンクロさせて描いた作品だと思いました。だからタイトルが『妖怪百物語』なんですよね。妖怪に殺された者の家族が泣き崩れるシーンがあるのも勧善懲悪を根本に置いていないことを物語っています。

クライマックスに妖怪が大量に出てくるシーンは圧巻の迫力ですし、なかなか見ごたえがありました。どうやら3部作のようなので、チマチマ見ていこうと思います。
至福を肥やしてた悪い連中が妖怪達に憑つかれて死んでしまった。久々にすっきりする作品に出会えた☺からかさのお化けが可愛かった👻
Hawkwind

Hawkwindの感想・評価

4.5
大映得意の勧善懲悪もの時代劇としてしっかり作っているため、見応えがある名作。次作の『大戦争』は大駄作なので、あれは別物として認識したい。
妖怪は作り物っぽい着ぐるみクリーチャーが多いが、実に怖く感じる。
コミカルなカラカサお化けも結構グロいし、浪人の伊達三郎を襲うろくろ首はもう少し首が細かったらリアルに怖い。
キャストは藤巻潤と高田美和の大魔神第一作コンビに、林家彦六師匠やルーキー新一といった芸達者も好演。
最後の百鬼夜行の美しさは特撮の歴史に残るものである。
☆☆☆★★★

我が生涯初鑑賞ホラー映画(^^)

何しろ年端のいかない子供時代ですから、【人は死んだら化けて出て来る】その事実に震え上がったもんですよ。
「それじゃあ、この世には幽霊が一体どれだけ居るんだ!」…と(>_<)

暫くは完全なるトラウマ映画でしたね〜。今では愛すべき作品なんですけどね。

後にも先にもトラウマになったのは、この作品と。もっと前に親に無理矢理乗せられた、人生初のジェットコースターにビックリして、40度越えの知恵熱にうなされた事。
勿論この作品でもうなされて40度越えの知恵熱を出しましたよ(笑)

エピソードとしては最初のろくろっ首と、その後に出て来るのっぺらぼうの話が、当時からわかりやすさで特に印象に残ってましたね。
昔から何度もテレビでリピートされる度に観てますが、今回久しぶりに観た事で、このろくろっ首のエピソードに出てたのが。私の大好きな伊達三郎だったのに気が付いた。
そりゃ〜面白いに決まってますわ。
テレビ放送だと、最後に妖怪達が画面奥に去って行くところで終了なのですが。本編ではその後に後日談が有ったのも今回久しぶりに観た事で分かりました。
あ?円盤を所有している人には当たり前の事か!

ちなみに当時劇場で観た時は3本立てだったんですが。他の2本が、『ガメラ』と『エレキの若大将』だったのを、はっきりと覚えてます(^o^)

追伸
今回観たプリントはかなり画質が良好でした。
おそらく少し前にニュープリントを焼いたのでしょうね。
良き!良き!

(2017年8月6日 国立近代美術館フィルムセンター大ホール)
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