真っ黒こげ太郎

必殺処刑チームの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

必殺処刑チーム(2015年製作の映画)
3.8
処刑チーム VS 凶悪傭兵部隊(エクスペンダブルズ(待て))!

悪党には制裁を!

…「要塞警察」要素は何処行った!?




元S.W.A.T.のリーダーで、現刑事のデヴィッド。
彼はお騒がせ映画俳優のブロディの更生プログラムのお手伝いを命じられてしまう。

そんなある日、デヴィッドはブロディを連れてS.W.A.T.の訓練施設に向かう。
仲間と共に復帰の為の訓練に勤しむデヴィッドだったが、突如として謎の武装組織の襲撃を受ける!!!
電磁パルス兵器で通信機器も全て駄目になり、周囲も武装組織によって包囲されてしまう。
デヴィッドは仲間達と共に、武装集団に立ち向かうのだった。




S.W.A.T.の隊員達が、訓練施設を襲撃する武装軍団を迎え撃つ、サバイバル・アクション。
近年のB~C級アクション物にしては評判は悪く無い(おいおい)し、何故かネットフリックスに置いてあったので鑑賞。


こんな邦題だからてっきり悪人処刑のヴィジランテ系映画かと思ったら、「包囲された建物に籠城しながら敵を迎え撃つ」という、「要塞警察」タイプの立てこもり系アクション映画でした。
まさかまた「要塞警察」タイプの映画に当たるとは思わなかったね。www
(因みに案の定、処刑要素やチーム要素も)ないです。

前半40分は主人公側の身の上話や問題児の映画俳優に振り回される荒くれ刑事の姿が描かれている。
刑事と映画俳優というタッグは珍しいが、俳優は生意気言ってる悪ガキで全く役に立ってないし、刑事と俳優という意外性を全く生かせてないのでそんなに面白くはない。

だが訓練施設に舞台が移り、凶悪な敵が現れ事件が始まるにつれて物語は面白くなってゆく。
敵側の潜入方法もベタだし、敵ボスの正体も意外性は皆無だが、やはりこういう包囲されて戦いが始まる展開は盛り上がりますね。
敵に包囲された主人公達が迎え撃つ用意をしたり、アイディア技で危機を脱してゆく展開もベタだけど面白い。
(毒ガスの対象方が余りにも酷すぎて笑った。)


またこの手の映画でありがちな裏切者展開も捻りが効いてて良かったし、お荷物だと思われた映画俳優がクライマックスで意外な活躍を見せるのも悪く無い。
(彼は前半で「俳優以外に道がない」と嘆いていたが、あんだけ強いなら他にも道はあると思うぞ。w)


本作のアクションは銃撃戦メイン。
薬莢は飛ぶし弾着も火花飛びまくるタイプなので、低予算丸出しながら結構な迫力でドンパチシーンは見ごたえがある。
人体爆破、釘爆弾などのエグイ死に方もそこそこ多め。

また数は少ないながら肉弾戦もあり、ドミニク・パーセル氏の力強い殴り合いバトルは見ごたえがある。
敵役のヴィニー・ジョーンズ氏やスティーヴン・ラング氏もしっかり動けてました。


と、そんなこんなでドンパチは気合入ってるし、王道な籠城系アクションながら捻りもそれなりに効いててB級アクションとしては面白い部類でしょう。

ただ、全編アクションという訳ではなく、前半40分だけに留まらず、中盤からクライマックスに掛けてもアクションが少なめなのは気になる所。
恐らく、アクションをクライマックスに固めるつもりだったんだろうし、実際クライマックスはかなりの大騒ぎっぷりで愉快だったが、正直1時間50分もある内容では流石に長すぎだと思うので、せめてもっとドンパチするか80~90分台に纏めて欲しかった所。

後、火薬の爆破シーンもあるが、そちらは予算の関係かあるいは室内だからかは分からないが(たぶん前者)、どれも規模が小さいので少々残念でした。


物凄い低予算丸出しでしょぼいし、かったるい所も追いけど、B級ドンパチアクションとしては中々楽しめました。
過度な期待は禁物ですが暇つぶしにはぴったりなので、ドンパチアクション映画好きなら是非どうぞ。