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新感染 ファイナル・エクスプレスのwoosのレビュー・感想・評価

4.4
新宿ピカデリーにて字幕版を鑑賞。
客席は9割くらい。
テーマ「人の成熟とは」

[全体として]
恐ろしくいい評判が何カ月も前からあって、非常に楽しみにしていた韓国発「乗り物ゾンビパニック映画」である。
そして、最高に面白いエンターテイメントだった。
ゾンビ映画は何かのメタファーや諷刺である事が多いが、今回の映画は朝鮮戦争がメタファーとなっているような気がした。韓国の人々が、突然抗えない大きな力(戦争時は北朝鮮と中国連合軍。この映画ではゾンビ)に襲われて釜山まで追い詰められて、米軍が介入する迄の右往左往感が、根底のテーマなんじゃないだろうか。考えすぎか。。。
あと、忙しさに感けて妻とも娘ともうまくコミュニケーションが取れず、利己的な男が、困難な状況や他者との交流により、利他的な行動を取れるようになる「オヤジジュブナイルもの」でもある。そういやこの主役のオヤジ、東出昌大そっくりだな。
あと、ロメロ御大的にはNGな全力疾走系ゾンビだったが、この映画のシナリオだと全力疾走系じゃないと成立しないので、その辺はうるさい人も大目にみてもらいたい。


[よかったところ]
乗り物パニックものとゾンビものというジャンル映画が合わさると、とにかく最初から最後までほぼクライマックスのような状態になるので、最後まで集中できる。(お前がただそういうの好きなだけだろう?と言われそうだが。)
あと、キャスティングとキャラの配置とか100点!妊婦の旦那があの体格なのは意味がある(笑)
あと主役のお父さんの表情の豊かさ、特に戦慄して引きつった顔なんか最高だった。
大体ゾンビものは、ゾンビはきっかけに過ぎず、基本人間同士のいざこざが半分くらいを占めるが、この映画もそれを外してないし、to meさん(バス会社のお偉いさんのあいつ)がいい仕事をしていて、結構劇場では爆笑を誘っていた。(あいつ腹立つわー映画的に良い意味で。)
そして、感動させるところではめちゃくちゃ泣かせる。娘とかいるお父さんはもっと泣くんだろうな。

[気になったところ]
コレは個人的な意見だがもっと「ザマぁ」と思える演出をしても良かったんじゃないだろうか。そこまで個人的には溜飲が下がってない。それがあったら5億点だったな〜。(お前の塩梅だろうが)

以上ゾンビ映画好きは必見です。
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