ソウル発プサン行き高速鉄道KTX。
目的地まであと2時間、時速300kmで疾走する車内で、突然原因不明の感染爆発が発生。
凶暴化する感染者たち。
偶然乗り合わせたのは、妻のもとへ向かう父娘、妊婦と夫、そして高校の野球部員と女子マネージャ。
サバイバル。
それぞれが愛するものを守るため、生き残りを賭けた闘いが始まる...。
ダレることなく終始緊張感が持続する上、予想外に濃厚な人間ドラマが描かれており、ホラーとしては稀に見る傑作だと思う。
激走する感染者や感染の即効性の恐怖は『28日後...』を連想させるが、主要キャラの造詣と背景が良く練り込まれて描かれており、各々のキャラクターに感情移入し易い演出になっているのが素晴らしい。
ふとした合間に交わす他愛もない会話も心に響くし、そんな「普通の」彼らが次々に犠牲となる姿に込み上げるものがある。
そして何と言っても素晴らしいのはズタボロのラストシーン。
親子の絆、そして人間であることを示す「あるもの」で救われる演出は見事。
ホラーの側面が強調される物語ではあるが、必要以上にグロに走っていない内容は好感が持てる。
ホラーが苦手でも、映画ファンなら是非観て頂きたい傑作だと思う。
ハナマル!
2019/02/27