タカシ

レッド・スパローのタカシのレビュー・感想・評価

レッド・スパロー(2017年製作の映画)
4.5
『スワローはツバメ、スパローはスズメ』


「レッド」と言えば、そりゃロシアなのです。「レッド・オクトーバーを追え!」とか「レッドブル」とか「レッドスコルピオン」とかのレッドですな。

ジェニファー・ローレンスがスパイ、と聞いて、ざっくり「ニキータ」的なヒロインアクションを想像していましたが、まったく違いました。
「スパイと言えば007」みたいな考え方はもうよそう。
もっと言えば単純なスパイものですらないという。

サスペンスでスリラーチックなスパイ映画、ジョン・ル・カレ原作の「裏切りのサービス」的なストーリーです。
原作小説が上下巻の大作で、本作も145分の結構な長編。

ヒロインのスパイ養成期、実際の任務。その任務の顛末という三幕構成。
ほぼ出づっぱりのジェニファー・ローレンスの熱演がなんと言っても本作の肝。
カーアクションガンアクションは皆無、格闘のみほんのちょっぴりあるだけのこの作品これほどドキドキさせられるとは。
物語の中盤を過ぎる頃には、これがどういう着地をみせるのか結末が気になって仕方ありませんでした。

結論としてやはり「ロシアってやっぱり悪い国だよね」っていう、分かりやすい西側寄りの結論になるのは少し辟易しましたが。(特別「アメリカ最高!」という結論な訳でもありませんが)

「JOY」「マザー!」と割りと日本劇場未公開になることがあるジェニファー作品ですが、本作は彼女のキャリアの中でも特別な一作になることは確実です。劇場で観るかどうか迷ってたけど、ちゃんとこれ劇場で観られて良かった。来年のアカデミー主演女優賞も狙えると思いますが、さてどうなるか。
これでまだ「X-MEN」もやるらしいからジェニファー大好きです。
劇場(字幕版)にて。18.04.06
2018#037
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