ロスチャイルド家の作品情報・感想・評価

「ロスチャイルド家」に投稿された感想・評価

青二歳

青二歳の感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ナチスによる国策映画のうち国内上映禁止に指定される反ユダヤ映画のひとつ。ロスチャイルド家の隆盛と彼らの陰謀を描く。ゲッペルスはこれを反ユダヤ映画と言わず史劇映画として宣伝するにとどめたらしい。それは正解でしょうね、面白かったですこれ…
ただプロパガンダとしてはどうかというと“ユダヤ人ジュース”と同様、これを観て反ユダヤの火を灯すには、ユダヤ人への不信感や嫌悪感が、心の中に燠火のようにくすぶっている人だけだと思う。…プロパガンダの出来不出来よりも、そう考える方が怖いですね…
陰謀論全開の“永遠のユダヤ人”も、荒唐無稽過ぎてとても鵜呑みにする人はいないでしょう。言わんとすることは分かるけど、ただ製作者側の憎悪を垂れ流すだけで憎悪を掻き立てる仕掛けがない。
その二つに比べると“ロスチャイルド家”は、両方のいいところをとっています。ちゃんと史劇の体裁があるので映画として鑑賞できるし(時代考証はおいといて)、その上でクライマックスに陰謀論が種明しのようにドーンと展開しもう完全なるエンタメです。“ユダヤ人ジュース”と違いロスチャイルド家という父子の繋がりを描いているので、陰謀論も“永遠のユダヤ人”ほど無理のない展開。いや都市伝説レベルですけどね。