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君の名前で僕を呼んでのしおえもんGoGoのネタバレレビュー・内容・結末

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

美少年と美青年が美しいイタリアの風景の中で繰り広げるひと夏の情熱的な恋。
もう絵が美しい。

ストーリーはエリオの視点で進んでいくけれど、彼がまた知的でナイーブでさらっと編曲までできてしまう。そんじょそこらの17歳とはわけが違う。
彼がオリヴァーに思いを告げる時の「because I wanted you to know」と歌うように繰り返すシーンとか、そんな形で告白できる17歳って居る?
私なら「何を?」って普通に聞き返してしまうわ。

でもやっぱりまだ彼は若く、募る思いに苦しむ姿は恋する者として普遍的だ。
エリオの思いが繊細に描かれていくだけに、例の桃のシーンでは彼の焦燥感とか苦しさの結果の行為と見えるので、能天気に笑ってからかうオリヴァーのデリカシーのなさにこっちまでイラついてしまった。

でもオリヴァーの気持ちは分からない。もしかすると彼は1980年代のアメリカ人ならではの苦悩があったのかもしれない。

描写がエリオの一方通行なだけに、そして彼の周囲では同性愛であること自体に悩む環境にないだけに、恋の切なさと美しさが際立つ話だった。

しかーし、エリオの彼女はなんと不憫なのか。本命との逢引きの時間を気にしながら平気で彼女と関係するエリオも大概酷い。
しかも最後には彼を許して受け入れる。そんな都合のいい女の子は本当にいるのか。
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