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君の名前で僕を呼んでのryacのレビュー・感想・評価

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)
4.3
舞台はイタリアの避暑地、美しい映像と音楽が彩るひと夏のラブストーリー……
画面に映るものや風景、食べ物やアルコール、登場人物の立ち振る舞いや着ている衣服、発せられるセリフ、すべてが優雅で上品、とにかく美しい。しかしだからといってお高く止まっているというわけでもなく、誰でも一度は感じたことのあるような切なさ、喪失感に寄り添うようなとても暖かい作品だった。

とくにティモシー・シャラメの浮世離れした美麗さと生々しい実在感を併せ持った演技は衝撃的。あまり起伏に満ちているとは言えないストーリーでありながらもこの物語から目を話せなかったのは、彼の揺れ動く心情をダイレクトに感じさせられたからに違いない。

エリオとオリヴァーの別れで物語を終わらせず、少しだけその後が描かれたのもよかった。そこである、エリオの父親が語る長回しのシーンには息を呑んだ。ある種本作を集約するような言葉が物語のメインにあまり関わってこなかった父親から発せられるところに深みを感じる。

あと、ラストシーンからエンドクレジットへの流れは間違いなく今年見た中でナンバーワン。

ずっと見たかったけど毎回上映期間を逃してしまっていた本作。今年最後に新文芸坐で見れてよかったー!