きよぼん

オーシャンズ8のきよぼんのレビュー・感想・評価

オーシャンズ8(2017年製作の映画)
3.7
「主人公がどんな人物なのか、映画の冒頭、数分で説明しろ」とは、映画の教科書によく書いてあることです。

刑務所で反省の言葉を口にするデビー(サンドラ・ブロック)。しかし出所した後の彼女の行動は正反対!ここでデビーがいかに口がうまくて、機転がきいて、なによりヘコたれないかがわかります。もうこの冒頭部分大好き。

この冒頭部分があるから、映画がすぐにメインの宝石強奪計画に入っても、彼女ならやるだろうなーそれ観てみたいわーと、混乱しないし、期待できる。

後は映画の流れに身をまかせるだけでいいのです。ヴォーグ、カルティエ、セレブのパーティというゴージャスな世界を舞台におこる華麗な犯罪を、ノリのいい音楽にあわせて楽しむ。重さはなく、心地よい感覚。前シリーズから続く、この「軽やかさ」が最大の魅力です。

映画として、やることはやってるのですが、重ーい人間ドラマをはさむとか、必要以上のことはやっていない。スタイリッシュな感覚優先。ややこしいことは全てそぎ取る、やらないという勇気。物足りない?だってこれ、そういう映画ですから…という憎たらしいほど作り手の余裕が感じられる作品です。

まあ今年の夏はあっついし、こういうスッキリとした映画を観てみるのもいいんでないかと。オススメです。
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