KouheiNakamura

オアシス:スーパーソニックのKouheiNakamuraのレビュー・感想・評価

4.3
今夜、俺はロックンロール・スターさ。


90年代のイギリス、ブリットポップブームの火付け役にもなった伝説のバンドOASIS。彼らのデビューから96年ネブワースでのライブまでの軌跡を追ったドキュメンタリー映画。

僕がOASISをちゃんと聴くようになったのは大学生の頃。ベスト盤を聴いて衝撃を受け、アルバムもシングルも全て聴いた。個人的にOASISというバンドの最大の魅力はそのスケールの大きさだと思っている。リアムの何もかもさらけ出すような歌い方に、ノエルの書く美しいメロディと歌詞が乗っかる。リズム隊もギャラガー兄弟に負けじと音をぶつける。すると生まれる化学反応。彼らが奏でる音は普遍的で、それでいていつも新鮮だ。そんな彼らはスタジアムのような大きな会場でこそ真価を発揮した。

この映画が描くのは、そんな彼らの黎明期と言ってもいい92年からの数年間。OASISはこの後も十数年に渡って活躍したのだけれど、あえてそこは描かれていない。OASISファンがよく言う「OASISはモーニング・グローリー(2枚目のアルバム)まで。」を地でいく作りになっている。映画という限られた時間の中でOASISの魅力を伝えるにはこれが最善策だったのだ。個人的にはビィ・ヒア・ナウ(3枚目のアルバム)が大好きなので、全く触れられないのは少し寂しかったが…。

しかし、OASISの数々のお宝映像やギャラガー兄弟のぶっ飛んだエピソードの数々を見ているだけでも十分に楽しい。今では考えられないほど仲の良いギャラガー兄弟を見ると少し悲しくなったりもするのだが…!
OASISを知らない方にもオススメ出来る、ドキュメンタリー映画。是非ここを入り口にして、ブリットポップやブラーとの対立関係なども知ってほしい。お騒がせバンドのような立ち位置をあえて選んでいたOASISの魅力がよくわかる一本だ。オススメです。
KouheiNakamura

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