踊る猫

オアシス:スーパーソニックの踊る猫のレビュー・感想・評価

3.7
洋楽を聴き始めた頃にブラーとオアシスがブリットポップ両巨頭として注目される現象をリアルタイムで目にしていたので、このドキュメンタリーも興味深く鑑賞出来た。とはいえこの映画ではブラーのブの字も出てこず、あくまでオアシスというバンドが結成当初からデビューしてブレイクする過程を描いた骨太な作りになっている。ここで窺い知られるのは一見するとロックスターの奇行(「セックス・ドラッグ」というやつです)をなぞっているようでありながら、どんなムーブメントにも乗じず(ブリットポップはあくまで彼らの「後」に出来たのだ)不遇時代をひたすら練習することでメキメキと実力を高めて、アスリートよろしく己のロックを鍛え抜いた真面目な彼らである。その真面目さは逆に言えば映画の面白みのなさとも繋がってくるので手放しには礼賛しないが、ビッグマウスをかまして他者を挑発しまくっていたギャラガー兄弟が実は朴訥な好青年だったことを照らし出しているのはポイントが高い。
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