QvQ

笑う故郷のQvQのレビュー・感想・評価

笑う故郷(2016年製作の映画)
3.7
残念ながら私にはこの作品を正しく解説したり評価したりする能はないなあと思いながら、でもまあ出会ってしまったし、とりあえずは私なりの感想は記しておこうと思います。結論から言えば結構良かったです。まあ、タイトルの印象から思っていたコメディのような要素はほとんどなかったですけどね。

ノーベル賞を貰うくらいの作家の小説がどんなものだったのか。それはほとんどわからない。でも作品のほとんどが故郷の地を題材にしたものだったようなので、作家が捨てたはずの故郷を訪ねることの意味はだいたいわかったような気がしました。そしてそこで起こったことは彼が想像していたことよりだいぶ面倒なことだったんだろうなと思うのですが、彼は一体どこまで想定していたんだろう?ある程度最初から想像できていたようにも思うし、訪れてみて、あまりにも想像以上のことが起こったから作家としてそれを昇華させてラストの展開を迎えたようにも思えます。それってちゃんと観てたらわかったのかな?肝心なところがいい加減で申し訳ない(^^;でも興味があったんだろうな、行き着くところまで行き着いた作家としては。捨てた故郷に行ってみようとした気持ちはたぶんだけど理解はできたような気がします。

私はずっと、彼自身を正直で面白い人のように感じて見ていたのですが、作家というのはやっぱり複雑なことを考える面倒な人種なんだなというのが最後まで見ての感想でした。彼が聖人君子じゃなくて、非常に正直で色々なことに惑う人間味ある人物だというところもこの作品のポイントではあったと思います。

都会に住む田舎育ちの人間としては、「文化」は確かに田舎には不足していると感じてきたし、いろんな意味でどうしても卑屈になってしまうようなところも田舎にはあるのかなとは思います。都会にはない田舎の良さも絶対あるんだけどね。この話の場合は先進国だとかそうでないとかってこともあるのかな。でも彼はこの地で生まれたわけで、ホテルの若者のように地道に自分なりの文化を育んでいる者もいたりする。そういうことも盛り込んでいるところにこの作品の深みを感じたりもしました。

結論よく出来たいい映画だと思います。わからないなりに面白かったです。アマプラ発掘作品としては◎だったと思います。
QvQ

QvQ