サラリーマン岡崎

羊の木のサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

羊の木(2018年製作の映画)
3.7
羊の臭いや血の液がかよう木から羊ができるように、
犯罪者たちは刑務所から出てきても、
犯罪者のままなのか?

この映画では6人の犯罪者それぞれにその問いを投げかける。
恋人ができる者、理解してくれる共ができること、祈りが実ること、希望はたくさんある。

けど、一筋縄では絶対行かない。
犯罪者と隣り合わせになる時、
少なからず怖い。
疑念を抱いているその元犯罪者と同じ部屋で、主人公・月末は寝た。
怖いと思っていても寝れることは、
その怖さを超えること。
観客はヒヤヒヤすると同時に、
月末のその行動に安心感を覚える。
彼はその元犯罪者を受け入れようとしてるんだなと。

物語は淡々と進むし、
6人だと話が偏り、ちょっと破綻してる物語もあるけど、
月末のそんな行動が俺らもできるかなと少し心配になるのはこの映画が成功してる証拠。
月末のようにできたら、世界は少し変わるかも、そんな暖かさがある大八監督作。