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ムーンライトのRのレビュー・感想・評価

ムーンライト(2016年製作の映画)
5.0
ヤバかった! かなり最初の方からずっと、涙で瞳が濡れっぱなし、ときにぶわっとあふれてポロポロこぼれる。こんなに深々と情感が心に沁みいってくる映画を見るの、めちゃめちゃ久しぶりな気がした。てか下手するとここまでのインパクトは初めてかも。そりゃー、ララランドより、全然ムーンライトですわ。今年これを超えるものに出会えるだろうか。難しいだろう。マジ最高です。ストーリーは、麻薬中毒のおかんがいて、学校ではFaggot!と罵られイジメられてるシャロンの少年時代と高校時代、そして、大人になってからの3つの時代を描いたもので、ほとんど何も喋らないシャロンがひとりで抱え込むさまざまな問題への解決がストーリーのメインテーマになるかと思いきや、最終的にあーそっちに行くのかー!って方向に話が進み始める。とにかく最初から最後まで見所満載。まず映像の美しさが群を抜いてる。まるで画面全体が光を放っているかのような不思議な柔らかさ。夜のシーンですら、暗くはあるけれどまったく闇を感じさせない。月光にブルーがまつわってる。何というみずみずしさ! 何という新鮮さ! こんな映像見たことない。編集もまた、独特かつスタイリッシュ。特にいくつかの顔どアップのシーンで、音声と映像が一瞬合わなくなるような演出がしてあるのが、夢の中のようでありながら生々しくてかなり印象的。あと、ほんの一瞬の時間が引き延ばされたり、ときに長い時間を一気に短縮したり、とメリハリのある語りが、始終ゆったりしたムードの中で、ピリっと、ってかビリビリ効いてて、途中から完全に酩酊状態。映画の世界観にのみこまれてしまった。ただかなりアート系な雰囲気の映画なので、好き嫌いは結構わかれそうやなとは思う。が、ビーチのシーンのドキドキ(ケビンの視線!)とか、後半レストランでの切なる思いを眼差しだけで表し尽くすシーンとか、完全忘我状態になるまで魅了してくるし、最後の、あの、触れてない、はヤバすぎ。一瞬パニックった。その直後、涙ボロボロ。よかった、ホントによかった。ようやくこれで、シャロンは自分で決めた人生を生きていけるかもしれない、他の誰にも決めさせない、自分の人生を歩んでいけるかもしれない、と感じた。何て深い深い深い深いラブストーリーだろう! こんなにピュアなラブストーリーがこの時代に見られることを誰が予想しただろう! ラストショット、後ろ姿で心にぐわーーーーーっと感動の波が押し寄せ、哀しみと苦しさと切なさと喜びとに心がはり裂け、しくしくしくしく泣いてしまった。そして、最高にいい気分だった。文句なし、最高の映画! これは何度も何度も見ることになるでしょうし、我がライフに関係してるすべての皆さんに、是非とも見ることを勧めたい大傑作。あ! 言い忘れてた! 音楽も最高! ありとあらゆる点でBravo!!!!!!!!
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