海外推理小説の超大御所アガサ・クリスティのこれまた有名作品を何度目かは知りませんけど再び映像化。
落ちを知ってる人間にはキャッチコピーが微妙にネタバラシな気がしてならない感じですが、基本的には凄く良い出来に仕上がったんじゃないかなぁと思います。
顔の濃い有名俳優を豪勢に使い、エルキュールポワロの性格を紹介しつつのエルサレム事件解決シーンからきっちりオリエント急行に乗る過程、解決までを綺麗に描いてます。豪華急行の映像とか旅行シーンは観ててシンプルに楽しいですし。
容疑者とのやりとりも解りやすく、それでいて理解もしやすい。ただ、「誰がどうやって？」のどん詰まり感はあまり伝わりませんでした。その分容疑者達の経歴や過去がそれぞれ解りやすく整理されてます。話的にそうするのが正解ですので、良いのですが。
テンポよく進みつつ概ね観てる人に真相を想像させながら、ラストの乗客全員を一堂に集めての謎解きシーンも素晴らしいです。
日本人にはお馴染みの光景ですし、豪華俳優をずらっと並べたシーンも色々な意味が考えられて素敵です。
たったひとつの犯罪がどれだけ多くの人々の人生を狂わせるのか？というテーマがよく伝わる終盤、そして次回作へと繋がるエンディング。
１つの作品としては文句なく良くできてます。概ねの人にお薦めできます。大昔の奴と比べたりとかは特にしてませんので悪しからず。
こっからは単に愚痴。
個人的にはひょっとしたらこの作品から始まるかもしれない「探偵エルキュールポワロ」シリーズの登場一作目としては別な奴持ってきた方が良かったんじゃないかな？と。
もちょっとスパっと解りやすい純ロジック系の作品の方が良いんじゃないかなーと。
