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サーミの血のkazu1961のレビュー・感想・評価

サーミの血(2016年製作の映画)
3.7
▪️JPTitle :「サーミの血」
ORTitle:「Sameblod」
▪️First Release Year : 2016
▪️JP Release Date : 2017/09/19
▪️Production Country : スウェーデン・デンマーク・ノルウェー
🏆Main Awards : ※※※
▪️Appreciation Record : 2022-261
🕰Running Time : 108分
▪️Director : アマンダ・シェーネル
▪️Writer : アマンダ・シェーネル
▪️MusicD : クリスティアン・エイドネス・アナスン
▪️Cast : レーネ=セシリア・スパルロク 、ミーア=エリーカ・スパルロク 、マイ=ドリス・リンピ 、ユリウス・フレイシャンデル 、ハンナ・アルストロム 、オッレ・サッリ
▪️Review
🖋出自やルーツ、そして自らに流れる血で差別を受けること。自分ではどうしようもないことにもがき苦しみ、自分なりの前向きな生き方を模索していく。。。映画ではこのような作品は多く、いつもやりきれない気持ちにさせられます。本作も同様。先日観た「僕の名はパリエルム・ペルマール」ほどの酷すぎる描写やエピソードは描かれませんでしたが、根底に流れるものは全く同じですね。。。

🖋本作もそんなルーツに対する嫌悪と愛情に揺れ動きながらも不当な差別に負けず、強さと好奇心旺盛な心を持って外の世界へと飛び込んでいく主人公エレ・マリャを思わず応援したくなります。それを北欧の美しい大自然と美しい映像で描いているところが、自信がサーミ人の血をひいているアマンダ・シェーネル監督ならではの繊細さなんですね。

🖋 主演のレーネ=セシリア・スパルロクも今もノルウェーでトナカイを飼い暮らしているサーミ人です。少ない台詞の中でほんと豊かな表情を見せてくれています。作中の民族衣装、小道具、トナカイの扱いなどはすべて正確に再現されているそうです。

🖋サーミ人とは、ラップランド地方、いわゆるノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北部とロシアのコラ半島でトナカイを飼い暮らし、フィンランド語に近い独自の言語を持つ先住民族。映画の主な舞台となる1930年代、スウェーデンのサーミ人は他の人種より劣った民族として差別されていました(参考:公式HP)。

🖋物語は。。。1930年代、スウェーデン北部のラップランドで暮らす先住民族、サーミ人は差別的な扱いを受けていました。サーミ語を禁じられた寄宿学校に通う少女エレ・マリャは成績も良く進学を望みましたが、教師は「あなたたちの脳は文明に適応できない」と告げます。そんなある日、エレはスウェーデン人のふりをして忍び込んだ夏祭りで都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ちます。トナカイを飼いテントで暮らす生活から何とか抜け出したいと思っていたエレは、彼を頼って街に出るのですが。。。

▪️Overview (映画. comより)
北欧の少数民族サーミ人の少女が、差別や困難に立ち向かいながら生きる姿を描いたドラマ。1930年代、スウェーデン北部の山間部に居住する少数民族サーミ族は、支配勢力のスウェーデン人によって劣等民族として差別を受けていた。サーミ語を禁じられた寄宿学校に通うエレ・マリャは、成績も良く進学を望んだが、教師からは「あなたたちの脳は文明に適応できない」と告げられてしまう。ある時、スウェーデン人のふりをして忍び込んだ夏祭りで、エレは都会的な少年ニクラスと出会い恋に落ちる。スウェーデン人から奇異の目で見られ、トナカイを飼育しテントで暮らす生活から抜け出したいと思っていたエレは、ニクラスを頼って街に出る。監督のアマンダ・シェーネルはサーミ人の血を引いており、自身のルーツをテーマにした短編映画を手がけた後、同じテーマを扱った本作で長編映画デビューを果たした。主演はノルウェーでトナカイを飼い暮らしているサーミ人のレーネ=セシリア・スパルロク。2016年・第29回東京国際映画祭で審査員特別賞および最優秀女優賞を受賞した。
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