ふしみあい

ライフのふしみあいのネタバレレビュー・内容・結末

ライフ(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

期待して見に行った公開初日!面白かった!
宇宙で密室劇というともうSFの金字塔である2001年宇宙の旅を思い出さずにはいられない。真っ赤な照明、ジェイクギレンホールの正面ドアップなどは68年のケア・デュリアの歌うHALのシーンのそれ。
また宇宙空間の描き出し方はゼロ・グラビティ味を感じさせるなど、コテコテの演出と最近の宇宙モノの感じとがうまく融合していたように思った。

ライフ、という語のまま引っ張って欲しかった印象。カルビンという火星人の”名前”が与えられた途端、ただの胞子のような生命体だったものは急速に進化、成長し”キャラクター”へと変化していく。ある意味こいつさえ倒せばなんとかなる、という憎悪の対象としてのキャラクターに成り下がってしまった感があり、そこがとても残念だった。
また造形もいまいちパッとせず、確かにヌメヌメなのに素早い動きは怖いし、割と理にかなった動きをするものの、大きさが中途半端だったり、顔の表情があまりにも邪悪すぎたりと、色々思うところはある。
ああ、ほんとに”ライフ”として確かに生命だけど意思を持っているのかもわからないものがクルーを次々と殺戮していく…の方が良かったと思うんだけどなあ…!

また、密室ものだからしょうがない点ではあるけれど顔のアップが多かったように思う。俳優の表情や目力はさすがだけど、それに頼らずもっと嫌な演出をして欲しかった。グロ描写も抑えられていて、もっと暴れることができたんじゃないかと思う。

色々思うところはあったけれど、ラストのオチ方も最高にストレートで逆にすがすがしいし、各キャラの積み上げ方もしっかりしていたし、私はとても好みの映画だった。
もっと構図とかカルビンの造形とか宇宙船の見せ方とか工夫してくれたらカルト的な映画になりえたかもしれない。でもこれはこれでストレートに好き。

あとどうしても気になった点…、真田広之が割と重要なキャラだったのは嬉しかったけど、ビデオ通話で奥さんの出産を見守るシーンの他人事感に笑ってしまった。なんだあの棒読み!そこだけカルト映画と言ってもおかしくない演技。
あと「breathe」を日本語で何て言う?に対して、「呼吸する」って棒読みで答えたの面白かった。英語のセリフ多すぎて片言になってしまってる真田さん。「深呼吸」とかで良かったんじゃないかなあ笑
とか言ってなんだかんだすごい好きな映画だった!!良いSF!