三次元からきたブロンディ

THE BATMAN-ザ・バットマンーの三次元からきたブロンディのレビュー・感想・評価

4.3
記録

DCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)から一旦離れまた新たなバットマンを製作した今作。劇中雨が降りしきるゴッサムシティがどこか『ブレードランナー』を彷彿とさせ、アクションを多用した過去のシリーズと較べると謎解きが多くサスペンス調になっていた。この演出は『セブン』を引用しているのではないかと気がした。

本作は暗闇を基調としており、ほぼ夜の場面が多い。そして歴代バットマン(ブルース・ウェイン)と比較すると今回のロバート・パティンソンは何処か心に闇を抱えているキャラクターになっていた。今回はブルース・ウェインの過去を探る物語になっており、そこがミステリー要素となっている。リドラーのポール・ダノもジム・キャリーと違った味を醸し出していて良かった。今作はそれもあって結構楽しめた。

本作で批判的な事を書くともう少しコリン・ファレルが扮するペンギンの出番を増やしてほしかった。彼のペンギンのお芝居は中々で、本編の中でもお気に入りのキャラクターだった。彼の芝居は何処かデ・ニーロアプローチに見えてしまい、ファレル自身もこれはデ・ニーロのアル・カポネをモチーフにしたのではないかと感じた。

約3時間の長尺なので賛否は別れると思うが、私は割と好きだった。
大傑作までとは行かないが、クリストファー・ノーランが製作した『ダーク・ナイトシリーズ』よりかは良い方だった。次はペンギンを主人公としたHBOのドラマ配信が楽しみである。