このレビューはネタバレを含みます
予告映像からなんとなくおしはかることができたとはいえ、前作とは全く毛色の違う作品になっていて驚いた。
マックィーンの老いが描かれることは承知していても、まさかその老いを乗り越えるのではなく、
後継していくという方向性で話が進むとは思わなかった。
レースシーンラストのマックィーンの表情はあまりにも複雑すぎて切なかった
レーサーとしての幸せは必ずしもレースに出ることだけではなく、
次の世代を育てることにも幸せは見いだせるなんて、
子供向けのアニメでやるには深すぎる。
前作がアクション満載だったのに対してかなり地味な場面も少なくないので、
小学校低学年くらいの子供だと途中飽きてしまうのではないだろうか
その点、ファインディングドリーのほうがバランス良く配分されていたかもしれない
またマックィーンの車体がずっとピカピカでかっこよく描かれるために(CGで車を描くのだからそうならざるを得ないだろうが)、作中何度老いぼれと呼ばれてもイマイチしっくりこない
頭の中で、登場車たちをほどよく擬人化して観ることを強いられるのも、カーズならではの特徴と言えるが、本作はよりそれを強いられている感がある
そうやって作品に気持ちを乗せて観られる人なら、鑑賞後に少しの痛みを感じながらも前向きな気分で劇場を後にすることができるだろう
ちなみに松岡茉優と藤森が上手いので吹き替えで観るのはアリ
そしてどうでもいい話だが感情が不安定になりがちな人は短編の時点で泣くと思うので注意されたい