とりん

亜人のとりんのレビュー・感想・評価

亜人(2017年製作の映画)
3.4
2019年2本目

人気コミックの実写化。
話の内容はほとんど知らなかったが、この映画を実写化するのかと発表当時は驚いたものだ。
絶対コケると思っていたし、開始10分くらいは嫌な臭いがプンプンしていた。
しかし蓋を開けてみれば、なかなかに面白いアクション映画だった。
しっかりとCGを使い幽霊たちの姿も映し出し、スピード感のある戦闘シーンを魅せてくれた。
こういう点に関しては邦画もこんな映画を作れるようになったのかと感慨深くなるほど惹きつけられるものがあった。

亜人同士の戦闘は3,2,1という少し笑ってしまいがちなBGMから一気に加速して展開するので、んかりやすくのめり込める。
ただストーリーがなかなかに弱い。結局良い亜人が悪い亜人を倒すというただそれだけの話。
もっと亜人になってしまった苦悩や葛藤などを描いていればなと思うが、いかんせん全てを描くには時間が足りない。その分戦闘を魅せるのに充てたのだと思われる。

これは原作に対してだが、亜人を保護して人体実験を行っていたり、不死身と言いながらも痛みや苦痛は感じることができるなど、これまでよくあった不死身というテーマをさらにひねったこの作品自体の構成や着眼点は良いと思う。いつか原作を読んで、この世界観をもっと知りたい。

全体的に演技がイマイチに見えた。佐藤健や玉山鉄二、綾野剛といった中堅の俳優に加え、今演技を認められる浜辺美波や川栄李奈そういう演技派の若手がいるのに、なんだか浮いた演技になっていた。演出なのだろうか。綾野剛の声の作り方はこれまでと違って味があって良かったが。
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