うめまつ

gifted/ギフテッドのうめまつのレビュー・感想・評価

gifted/ギフテッド(2017年製作の映画)
3.6
数学と猫と天才子役。ドラマチックを盛り上げるカードは揃っている。算数から数学になった途端潔く降参した者としては、レースを編むように数式をスラスラと解く人を見ると秘密の呪文を伝えに来た魔法使いみたいに見える。数学者=数字という無数の星が散らばる小宇宙を抱きしめている人、みたいなロマンチックなイメージがあって永遠に憧れの存在だ。

フランクはそんな数学者には全然見えず、数字より筋肉で世界を救いそうな顔をしている。でもすべての猫好きは彼のことを最高の男だと認めざるを得ないシーンがあるので、細かいことはよしとする。話自体はあまりにも滑らかに良くできていてそれほど心動かされることはなかったけど、マッケンナちゃんが可愛くてちゃんと賢そうなのが良い。天から二物も三物も与えられてそうな特別枠オーラがある。

そして親権裁判ものとして比べると『I am Sam』が奇跡のように思える。叔父さんは実父ではないだけで血も繋がってるし、それ以上に愛情も理解もあるし、社会人として裕福ではないけど自立してるし、何より既に2人の間には揺るぎない関係性が築かれているのに、お祖母さんがしゃしゃり出て来たら親権を奪い合わなきゃ行けないのか。訴訟は起こしたもん勝ちって感じがして悔しい。自分の利益や満足の為に人の平和を壊さないで!とわなわなした。
うめまつ

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