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ファンタズムV ザ・ファイナルのhorahukiのレビュー・感想・評価

3.3
『ファンタズム』シリーズ5作目にして最終作!最近シリーズものだらけになってわけわかんないので、とりあえず『ファンタズム』終わらせます(笑)

一作目から約40年、前作から約20年の時を経て製作されたにもかかわらず主要キャスト全て続投というシリーズものとして脅威の偉業をやってのけた製作陣の創作への本気度に感服!

そして今作は、敵ボスであるトールマンを一作目からずっと演じ続けたアンガススクリム氏の遺作となりました。「ボ〜イ!」の決め台詞の威厳は今作でも健在で、シリーズ通してめちゃくちゃ怖いキャラクターだったのですが、実際のアンガススクリム氏はとても温厚な方だったようです。

荒野の中でこちらに向かって歩いてくるレジーおじさんを捉えたファーストカットから「俺の名はレジー」だと伝えるナレーションまで、本作はまごう事なき『ファンタズム』であり、あの世界観が帰ってきたんだと感じさせる素晴らしいシークエンスになっていて監督交代の不安を払拭してくれる最高の出だしでした。

過去作で幾度となく登場するレジーおじさんの愛車71年型クーダを手に入れるくだりも大好き♫そういったファンサービスが嬉しかった。何より製作会社がシルバースフィアプロダクションという徹底っぷり。

本作では、マイクを探して旅するレジーおじさんを描く世界線と、レジーが認知症になり入院してる世界線と、ターミネーターの未来世界のような世界線の3つを交差させながら物語が展開します。主役であるレジーを通して三世界を旅するような描き方をしているのが面白いところ。ある世界ではトールマンと戦い続け、ある世界では病院のベッドで横になっている。何が真実なのかも掴めないまま、次々に切り替わる世界線の落差は不条理そのもの。

ファンには嬉しいあのキャラのカムバックもあってテンション上がったんだけど、ティム君も出して欲しかったな〜。4の冒頭でもティム君の顛末が描かれなかったから、どうなったのかは回収して欲しかった。

そして、監督変わったからか演出面で気になるところも多かった。シルバースフィアに襲われるシーン等ではスリリングで露骨な演出が増えており、パニック映画のような空気感が漂っているのが残念だし、なにより『ファンタズム』らしくない。それと死ぬ瞬間を劇的に描き過ぎ。効果音も安っぽくダメな方のB級映画的見せ方が気になった。過去作ではもっと演出がドライだったし、だからこそ日常と地続きで隣り合わせなものとしての「死」を感じられたから好きだったのに。本作は悪い意味で見世物的。

とはいえ全体通して面白いシリーズだったと思います。私的には1→3→2→4→5かな。やっぱり1は圧倒的に好き♫そしてシリーズ通して40年間全く髪型が変わらなかったレジーおじさん(ジャケの4連ショットガン構えてる人)には拍手!!
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