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ミッドナイト・エクスプレスのkuuのレビュー・感想・評価

3.5
『ミッドナイト・エクスプレス』
原題 Midnight Express.
製作年 1978年。上映時間 121分。
アラン・パーカー監督による社会派ドラマの傑作。
実話を元にオリバー・ストーンが脚色、アメリカ・イギリス合作。
アカデミー賞を受賞している。
余談ながら、この映画は実話に基づいているが、公開から20年経った頃にビリー・ヘイズは、映画で紹介されていることは、トルコのイスタンブールの刑務所で彼に起こったことを非常に誇張したものであることを指摘している。
例えば、作中、ビリー・ヘイズが逮捕されるとき、彼はガールフレンドと一緒だったが、現実のヘイズは逮捕されたとき、一人だったなど。

扨、お話は、
トルコ旅行中に麻薬不法所持の罪で禁固4年の実刑をくらい、現地の刑務所に投獄されたアメリカ人青年ビリー。
暴力が横行する地獄のような毎日をひたすら耐えていたが、出所目前にトルコとアメリカの関係が悪化、彼は取引材料として利用され、刑期が30年に延長されてしまう。
ついにビリー脱獄を決意するが。。。

今作品は、大学生のビリー・ヘイズ(ブラッド・デイビス)が麻薬の密輸を企て、トルコの残酷な刑務所に収監されることになる実話を描いた作品です。
今作品での彼の演技はまぁそこそこ良かった。
冒頭の生意気な大学生が、刑務所での残酷な扱いに適応して強くならざるを得なくなり、その後、彼がどんどん劣化して幻滅していく様子は、見ていて辛いモンでしたが、個人的にはどうもリアルに感じなかったし、内容に乗り切れなかったかな。
しかし、デイビスは彼のキャラをうまく扱い、物語のさまざまな段階において説得力を持たせることを真摯に取り組んでんのは評価したい。
映画の後半、彼のガールフレンドが登場するシーンは、とても痛々しく、ヘイズの絶望感をさらに際立たせていた。
デイビスは、クエイドやハルト(ハルトはそれぞれの役で特に良かったが)のような人たちによくサポートされている。
彼らのキャラはヘイズと友達になり、ヘイズが彼らのキャラに紹介されると、今作品のタイト『ミッドナイト・エクスプレス』ちゅうタイトルの意味がすぐに明らかになる。
今作品には見るのがかなりつらいシーンがある。
しかし、公平に見て、残酷さは大げさではなく、これらのシーンのいくつかはカメラの前で映し出されます。
脚本家は、過剰になったり、暴力を楽しんでいるように見えることなく、刑務所の残酷さを巧みに表現していると思います。
そのバランスはちょうどいいくらいでした。
彼がやったことを容認するわけではありませんが、ただ、アメリカに帰って手っ取り早く儲けようとするナイーブな若者としか思えませんでした。
彼はハシシ(大麻濃縮物のこと)は友達に売るだけだと一貫して云っていた、せやし麻薬の大物というわけではない。
彼が心の底から悪い人間ではないことがわかったら少しの同情とちょびっとの共感はうまれた。
全体として、『ミッドナイト・エクスプレス』は、悲惨で、感動的で、残酷で、悪くない演技(特にハートとデイヴィス)が見られる映画でした。
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