カツマ

夜は短し歩けよ乙女のカツマのレビュー・感想・評価

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)
3.8
京都を青春ファンタジーな妄想ワールドに変貌させる森見登美彦の人気小説をアニメ映画化!出版されてから実に10年以上が経過しているにも関わらず、偽電気ブランのインパクトやら詭弁踊りってどんな踊りやねん、みたいな小ネタがポンポン出てくるんだから、原作の摩訶不思議で意味不明な魅力は今もなお自分の中で健在だった!
原作のカバーを書いていた中村佑介氏がキャラクター原案に名を連ね、その中村佑介氏のアルバムジャケットでお馴染みアジカンが主題歌を担当しているところも興味深い。

とある京都の街の片隅で、黒髪の乙女に恋い焦がれる男がいた。彼は乙女の先輩であり、偶然を装って彼女に存在を認知してもらうことに成功。ナカメ作戦という名を付けて全力で外堀を埋めてきた。
だが、それもそろそろ限界だ。先輩は京都の夜を飲み歩く乙女を追って、己の恋を成就させるためたった一晩の冒険の旅に出る。
黒髪の乙女は圧倒的な酒豪。樋口師匠や涼子さんと夜の街を飲み歩き、ついには京都の裏社会を牛耳る李白との飲み比べに勝利。詭弁踊りも完全にものにしてしまうミラクルガールだ。だが、そんな彼女とは打って変わって先輩はパンツを盗まれ、自らの下半身すら守れていないのであった。

先輩の声を星野源が演じると聞いて少し不安はあったが、意外にもジャストフィット。湯浅監督ののっぺりとした画と流れるような曲線の連続は、場面展開の早いこの原作に過呼吸並みの息遣いを与えている。

森見作品の魅力は何と言ってもそのエモみの先にハッピーなラブエンドが待っていること!毎回主人公は不器用な妄想先行人間なのだけど、そんな彼が彼女が頑張って相手の心を掴むストーリーはとても素敵なマンネリ感なのだ。
しかし、敢えて言いたい。やはりパンツは履き替えた方がいい。例え運命の人に出会えるとしても、病気になる前に履き替えておいて損はない。
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