ぎー

アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダルのぎーのレビュー・感想・評価

3.5
【第90回アカデミー賞特集1作品目】
"彼女は世界中から愛され、一瞬にして世界から憎まれた"
こんな事件があったことも知らなかった。
やっぱりアメリカは物事のレベルが違う。

キャストの演技を見るだけで価値がある。
マーゴット・ロビーは本当にすごい。
『バービー』を演じて、これを演じているのだから。
2時間映画を見ていても、全く同一人物とは思えない。
あの健康的で突き抜けた明るくて若々しい美しさは一切ない。
もちろんメイクの力も相当なんだと思うけど、完全に世界を代表する女優。
地味に良い味を出してたのが、ポール・ウォルター・ハウザー。
『リチャード・ジュエル』で全世界がその存在を知ることになるんだけど、本作でも、実家住み無職オタク誇大妄想症で、偉大なスケーター2人に甚大な被害をもたらした憎い役を完璧に演じ切っていた。
もちろん、オスカーを受賞した母親役も凄かったけど。

アスリート、勉強、芸術。
なんでも突き詰めて、追い詰めると、何かが犠牲になるし、行き過ぎると何かがおかしくなる。
それはその突き詰めるレベルが上がれば上がるほど激しくなる。
大衆の目に晒され、やや分かりづらい採点競技で、圧倒的な練習量がモノを言うフィギュアスケートはその最たるモノだろう。
その危うさをヒシヒシと感じる映画でもあった。
ぎー

ぎー