ぎー

Fukushima 50のぎーのレビュー・感想・評価

Fukushima 50(2019年製作の映画)
3.5
【第44回日本アカデミー賞特集1作品目】
"映画だから語れる真実"
同じ原作をベースにしたNetflixの『THE DAYS』を鑑賞した後に鑑賞。
ドラマ版を見てしまっていた、かつ、割と最近見たこともあって衝撃は緩和されたけど、まだどちらも鑑賞したことがない人がいるのならどちらかは見た方が良い。
そして個人的には圧倒的に映画版が、つまり本作がオススメである。
ドラマ版もよくできていたが、ドラマで話数も多いということもあってか、どうしてもアクションパートの描写の大げさな扇情さや冗長さが少しあった。
本作はそういったことが決してなく、日本中、いや、世界樹の人々が決して忘れてはいけない福島原発事故を改めてまざまざと思い出させてくれるし、職務として対応にあたった現地の人々の行動や想いの端に触れることができる、極めて貴重な作品であると思う。

事故後、事故を起こした東京電力に対して多くの非難がなされた。
法人として、また、その責任を担うべき立場の方々に関しては仕方ないところがある。
ただ、理解しようともせず関係する個人としての人格を否定したり非難することは、絶対に誤っている。
少なくとも福島原発事故が、表現が難しいが、少なくとも東日本を壊滅させるような大惨事(もちろん、すでに起きたことが惨事ではあるが)にならなくて済んだのは、吉田所長以下各位の必死の決死の努力によるところが多分にあるのは間違いないだろう。

最後に、映画版では渡辺謙が、ドラマ版では役所広司が吉田所長を演じているが、この日本のトップ俳優2人による演技力勝負はイーブンと言わざるを得ない。
どちらがどっち番で所長を演じていたのか、分からなくなるほどである。
そんな2人の演技力勝負を見るだけでもかなり面白い。
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