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犬ヶ島のトルーパーcomのレビュー・感想・評価

犬ヶ島(2018年製作の映画)
3.0
犬ケ島をみんなにオススメするか?
『イエス』
『イエス』
『イエス』
『イエス』
「ノー」

よし。多数決でオススメに決まりだ🐕

一部で話題のウェス・アンダーソン監督作 犬ヶ島。
公開日5/25にさっそく観てきました。

◼︎驚異の映像
本作の魅力は何をおいても映像。
ストップモーションという、いわゆるコマ撮りの撮影方法で人形を1カットずつ動かして撮っています。youtubeに4年間かけて人形数百体使って撮影した様子のメイキング動画があるのでオススメ。

撮影に使用した犬の人形はすべて動物の毛を植えて作ったという狂気。
その甲斐あって、紙芝居/パラパラマンガ的な空気感でありながら、登場する犬たちはマンガ的ではなく実在感がある🐕。

平面的絵作りでありながら、そこに配置されたキャラクターたちには立体感があるという不思議な世界観が出来上がっています。
円盤が発売されたら無音で部屋に流しておきたいですね。

◼︎世界観について
舞台は今から20年後の日本、ウニ県メガ崎市。
ですが、完全にフィクションの時代です。
未来の日本ではなく外国人が想像するネオ日本という感じ。芸者ちょんまげな人々が登場したり、終戦直後の街並みっぽい世界観が残っています。オープニングから鳴り響く和太鼓のリズム一発でこの不思議ジャパンな世界観に持っていかれます。

◼︎残念だったところ
出演者の話す日本語の半分くらいが若干不自然です。主人公アタリ少年を演じたのは日系カナダ人の子役で、少しカタコトで聞き取りづらい。
それでもアタリ少年に関しては日本語の拙さを「子供っぽさ」と変換して理解すれば我慢できますが、その他大人のキャラクターが一部カタコト日本語なのは厳しい。
ちゃんと日本人の声優さんで揃えてほしかったので字幕版は若干ストレスを感じます。

とはいえ、人間が話す言葉が日本語で、犬の言葉を便宜上英語にしているという設定なので、やはり字幕版で観てほしい作品です。
犬と人間は会話ができないわけですが、そのことを日本語と英語、と話す言語が違うことで表現しているのです。

そのため、我々日本人の観客は人間の言葉は理解でき、犬語はおおまかにわかるという見方になり、逆に英語圏の観客は、犬語しかわからず人間の言葉は字幕頼りで見るわけですから、見え方が違うでしょうね。これも面白いところです。

◼︎物語について
ストーリーは正直いって平凡です。
主要5匹の犬の中でも中心となる「チーフ」の物語と成長はなかなかよいかな。
2回目見たら序盤の彼を見る目は変わりそう。

評価は★3.0で。日本語カタコトの件で減点してしまいましたが、一見の価値はあるオンリーワンな映画です。
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