エミさん

あなた、そこにいてくれますかのエミさんのレビュー・感想・評価

3.5
2015年から1985年にタイムトリップした主人公ハン・スヒョンが、今は亡き最愛の人ヨナを前に究極の選択を迫られる韓国純愛ドラマ。
だいたいのタイムトリップに出てくる『過去を変えると未来が変わる事に気付いていながらも、結局、我慢できずに変えてしまう』というセオリーが、この映画でも核となっている。
タイムトリップするきっかけは、カンボジアで医療ボランティアをしていた医師のハン・スヒョンが、帰国を遅らせてまで赤ん坊を治療をしたお礼として、盲目の老人からもらった10粒の薬。その薬を飲んで眠ると20分だけ過去へ戻ることができる。
正直なところ、それなりにしっくりまとまった結末が、いいとこ取りな感じがして「そりゃないよなぁ〜」と思ってしまいました。でも韓国の恋愛映画は裏切りませんね(笑)。

個人的にはスヒョンの親友カン・テホがイイ味出してて好感を持ちました。こんな親友いたらイイなぁって思います。
 
エンドロールで流れるキム・ユンソクとピョン・ヨハンのデュエット曲『あなたの姿』。オリジナルは歌手キム・ヒョンシク。スヒョンが好きだった歌手という設定で時々、ネタになるので、この歌を出演者がデュエットしてしまう所も、中々面白いなぁと思いました。

何がしか、過去に後悔している人の方が圧倒的に多いだろうし、できるなら、より良い選択をしたいと思うのが人情でしょう。でも選択肢の分岐点に立った時、未来を変える事へのリスクに悩まない人は利己的な人生を送っている人だと思う。人は社会的な生き物なので、どんな人であっても、自分が思っている以上に色んな人と繋がってるし、相互作用していたりもする。『挨拶をしなくても近所に住んでいる人だと知っている』というのも希薄だが繋がっていると言える。
往々の選択をやり直す映画を見るにつけ、人が与える影響の大きさ、有意義に生きていって欲しいという願い、人は生きる可能性に満ちているということに魅せられ、そして考えさせられる。

この映画は、身近な人が愛おしいと思えるような影響力のある映画でした。