ま2だ

MEG ザ・モンスターのま2だのレビュー・感想・評価

MEG ザ・モンスター(2018年製作の映画)
3.0
MEG ザ・モンスター、観賞。

サメ映画へのジャンル愛とジェイソン・ステイサム愛と中国愛次第で、上乗せできる評価は大きく変わるだろう。自分はCGのようなルビー・ローズ兄貴の惚れ惚れするようなフェイスラインを追うことで、上映時間中の集中力をなんとかキープすることができた。

巨大サメ、メガロドンとステイサムのタイマン!が本作のウリだが実はあまりいい絵は撮れていない。想像通りそれはサイズが違いすぎるからで、そもそもお蔵入りしていた巨大サメ企画にステイサムをぶつけて公開にこぎつけたわけだが、対決シーンはスリルと迫力に欠けるものが多い。

ジャンルに対するオマージュや様式美は感じられるが、メガロドンの半端な大きさが足を引っ張っていて、忍び寄る恐怖感において先行作品を越えられない構造であることが画面から伝わってくる。じゃあサメじゃなくていいよね。

決着カットがむちゃくちゃかっちょいいので、あのクオリティのものがもう少しあればな、という思いもある。あれ観るとステイサムがクレイトスを演じるゴッド・オブ・ウォー早く作って!という気分になれる。

25mというメガロドンのサイズの破格ぶり(ケージとの絡みは良かったな)を伝えられていないため、単に人間との絡みの少ないサメ映画になっていて、これではステイサムも本領発揮とはいかなかっただろう。ステイサムvs人食いザメ3兄弟(普通サイズ)みたいな方が盛り上がったと思う。

かわりに気を吐いているのは中国キャスト陣。バストアップのメロドラマを随所で繰り広げ、ただでさえ薄いスリルをメロメロにぶった切ってくるのだからたまらない。溺れた後もまつ毛バチバチで意識を取り戻すヒロインなど、サメとは違う別の様式美を感じさせる。悲しいシーンほど笑えてくる。

どれもこれもスーパーださくて金かかっているように見えないガジェット群、研究員なのに途中から何でも屋みたいなこき使われ方をする登場人物たち、などスケール感の醸成にも失敗しているが、これ画面の外には撮影クルーがいるな、っていう間の抜けた雰囲気が少々キツかった。映画の空気感を獲得するに至っていない。

サメ映画としてもステイサム映画としても中庸だが、中国資本が注入されたハリウッド作品の未来を感じさせる内容だった。ルビー・ローズは最高。ふだん萌えの視点からは映画を観ないのだが、今回は萌えに助けられた。
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