ソウルフルワールド、鑑賞。
この短編向きモチーフを2時間堪能できるのは受け手送り手双方の成熟。社会から要請される役割との距離の取り方、上手くやっているつもり(こじらせとも言う)でも時折感じる一抹の寂しさや気疲れをそっと掬い上げてくれる作品。発想の転換のトリガー設定がジェンダー論の一歩先を行っていて面白い。
ジャズが物語の基幹となるだろうという予想だったが、ストレートな音楽映画というわけではなく、2つの世界の往来でそれぞれに象徴的な音楽が鮮やかに切り替えられる。いかにもなトレント・レズナー&アッティカス・ロスの音楽も良いが、ジャズパートのスコアを担当したジョン・バティステ素晴らしい。