海盗り-下北半島・浜関根の作品情報・感想・評価

海盗り-下北半島・浜関根1984年製作の映画)

製作国:

上映時間:103分

2.6

「海盗り-下北半島・浜関根」に投稿された感想・評価

中庭

中庭の感想・評価

3.6
一見、当事者たちに介入して、争いから離れた、人間個人の生活に根ざした生ける声をゆっくりと撮っているように見えるけれどもそれは誤解で、土本のまれびととしての自覚はインタビュアーとしての自らの言動や、登場人物の祀り上げかた、編集で台詞や表情の変化を断ち切る瞬間の選択など、映画作りの技術一つひとつに染みついており、その冷徹な視線の強度を掲げることこそ対象者に深い慈悲の念を抱くことだと主張するようだ。土本の目の当たりにした大雪の白を見られるだけでも貴重なフィルムだし、揺れる漁船のへりからこぼれ落ちる雪の塊や、あの圧倒的な、打ち締められる魚の「顔」のクロースアップも素晴らしい。
水俣モノではない土本典昭作品。

インタビューの相手のことを皆同じく「あなた」と呼ぶ土本の姿勢から分かる通り、登場人物たちの個性を掘り下げずに進めていく。

これまでの作品でも、土本典昭は人物の個性を掘り下げようとせず、あくまで水俣なり核燃料なりの「社会問題を体現する人物」として個人を描いてきたように思う。

その方法が一番悪く出てしまったのがこの作品だという気がする。

あと、前知識がないと理解しにくい内容なのも面白くなさの理由だと思う。