このレビューはネタバレを含みます
復讐の果てに見える白い雪景色
韓国映画の凄さに目覚めた作品
これ以上の復讐劇があるだろうか
仕掛けた張本人でさえ途方も無い時間と労力と精神力を費やしたと思わざるを得ない その心の闇の深さは想像を絶する 仕掛けられたオ・デスが辿るその精神的苦痛を推し量り罠を想像を膨らませながら 考えを巡らすその過程を思うと背筋が凍る
犯人にとって オ・デスを自分と同じ嫌、それ以上の苦痛と精神的ダメージを与える
その事だけを支えに生きているのだ
想像できる?
そんな人生
たちまち景色は色を無くし 季節の移ろいは時間の経過でしかなくなる
不毛な暮らし 砂を噛むような日々
あるのは煮えたぎる憎悪 愛を失った喪失感から空洞になった心を埋めるのは
復讐の炎だけ
デスが翻弄される姿に恋をするミドが唯一の光のこの映画
観客はせめてデスとミドのふたりが幸せに
なることを願う
パク・チャヌクはそんな観客の心すらも
簡単に裏切る
最後の最後に
純白の雪景色の中でその事を悟り
徹底的に打ちのめされるのだ