YasuyukiMuro

赤線地帯のYasuyukiMuroのレビュー・感想・評価

赤線地帯(1956年製作の映画)
3.8
溝口健二監督、1956年の作品。売春防止法施行前夜、吉原の女たちの悲喜こもごもを描く群像劇。

ラジオから流れる赤線廃止に関する国会論争。当時の世間の大きな関心事だったんでしょうね、特に関連産業で働く方にとっては色んな意味で気が気じゃない、、、特殊飲食店『夢の里』の主人は政治が行き届かないところをウチが補ってるんだ、社会事業なんだ、などと言ってますが、そこを抜け出したいと思ってる女性もいれば、一度は離れたものの出戻りする女性、また新たに加わる女性もいます。そんな様々な事情をかかえた女性たちを、若尾文子、京マチ子、木暮実千代、など当時のスター達が演じます。
暗い辛いばっかりじゃなくて、したたかに生きる若尾文子の生き様や、京マチ子の「どーや、八頭身や!」とポーズを取るコミカルなシーンも見どころです^ ^

なかなか良作とは思いますが、同時代の赤線付近の人間模様を描いた川島雄三監督の『洲崎パラダイス 赤信号』の方が、ロケも多くドラマチックで好みだったかも。
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