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パパのお弁当は世界一のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

パパのお弁当は世界一(2017年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

離婚により、高校生の娘と2人暮らしとなった父親は、娘の健康を気遣い、毎日娘のためお弁当を作ることを決意する。最初は自己流の料理で失敗続きだった父親の弁当だが、会社の同僚のアドバイスもあり、女子高生向けに工夫を凝らし、徐々に料理の腕も上達していく。やがて娘は高校卒業を間近に控え、父親は娘に最後のお弁当を渡す日をむかえるのだが…という話。

ツイッターの投稿が原作の、実話ベース作品。細かい人物設定は実話と異なるフィクションとのこと。一時期ネットで話題になっていたので、僕も内容だけは知っていた。

元々は短編の企画で、それにオリジナルのエピソードを加えて約70分の作品にしたらしいが、さすがに140字のツイッター投稿と画像の元ネタを長編映画に仕上げるのは苦しかったようで、良い話ではあるもののストーリーはかなりスカスカな印象。短編で良かったのでは?
序盤はヒロインが毎日の昼休みに弁当を広げて品評するだけの話となっていて、まさかこのまま全編通すつもりなのか?とヒヤヒヤしてしまった。途中から娘の恋愛話とかで幅が出てきたけれど。
弁当作りを通した父娘の何気ないやりとりがほんわかしており、父親の弁当の上達過程も丁寧に描かれていたのは好感が持てた。主演の渡辺俊美は本職ミュージシャンで(TOKYO No.1 SOUL SET)で映画初主演らしいが、実生活で息子のために毎日弁当を作ったという役柄とほぼ同じ経験が持つこともあり、調理シーンにリアリティを感じた。あと実に優しそうな父親を演じている。
反面、娘側のエピソードがかなり微妙。作中、愛情の象徴として描かれているお弁当を、父親を騙して彼氏のぶんまで作らせるのには全く共感できなかった。まあ、彼氏と別れたあとは概ね心温まるストーリーだったので、若気の至りと片付けられるかもしれないが。
何と言っても、最後のお弁当を広げるシーンが、分かっていても破壊力抜群で涙腺崩壊。前日に父親が「美味しくなあれ」と呟きながら真剣に作っている場面も含めてとても泣ける。
作中に登場するお弁当の数々がどれも相当美味しそう。夜中に観るのはかなり危険な作品(^^)
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