せーじ

アトミック・ブロンドのせーじのレビュー・感想・評価

アトミック・ブロンド(2017年製作の映画)
4.5
角川シネマ新宿で鑑賞。
映画の日、かつ金曜夜の上映ということもあり、小さいハコながら満席。
自分と同世代の人が多く、当然ながら女性の方が多めだった。

冷戦終結直前のベルリンを舞台に、とある機密データをもとに各国のスパイたちが暗躍暗闘する中、主人公の女性スパイが単身その渦中に乗り込んでいく。
「"あの"シャーリーズ・セロンが文字通り身体を張ってバイオレンスアクションに挑んだ話題作!」ではあるし実際そうなのだけれど、そもそも前提として、アクション一辺倒な単純明快な作品ではなく、登場人物の人間関係とストーリーの行方が混沌としてわかりづらい部類に入る作品なので、ハマる人とそうではない人とがパックリ分かれるのだとおもう。
音楽も、80年代の洋楽が多く使われているが、そもそもそのあたりの音楽シーンを熟知していて、かつ相当楽しんでいる人じゃないとノれないだろうな…と感じた。
(自分はそのあたりは全く詳しくないので、無知を恥じるばかり)

ただ、それらが物凄くカッコイイ。

セロン姉さん演じる主人公の居ずまい佇まいがそもそも無茶苦茶カッコイイし、徒手空拳でその場にあるモノを最大限に活用しながら、容赦なく敵に挑む姿も惚れ惚れとしてしまう。
それでいてエロいしねぇ…
何人もの人が指摘している、クライマックスの長回しアクションも、独立したものではなく、流れでいつの間にか始まっていて、そこに感心した。
また音楽は、単に劇中に80sナンバーを挿入していくだけではなく、ラジカセやカーオーディオなどで流してみせたり、場面が変わると鳴らしている機器も変わるという工夫をしてみせたりと、センス良く効果的に使っていると思う。

ただ、個人的には、あのオチはどうなんだと思ってしまった。
結局勝つのはあいつらなのかよ!みたいな。
まぁただそれも、歴史的な事実だといえばそうなので、未来人である我々は、笑ってそれを受け入れるしかないのだろうけれども。
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