ケイスケ

消された女のケイスケのレビュー・感想・評価

消された女(2016年製作の映画)
3.2
思っていたより怖い。韓国映画って何でこんなに“底の見えない恐怖描写”が上手いんだ。90分でサクッと観れるスリラーとしてオススメ…と言いたいですけど鑑賞後はかなりゲッソリします😅

そんで何が凄いかと言うと、本作は実際にあった拉致・監禁事件を基にして実際に法律を変えるきっかけになったとのこと。この経緯は『トガニ 幼き瞳の告発』と似てますね。トガニは面白いけどマジで胸糞だったなー😡韓国では精神保健法第24条を悪用して、財産や個人の利益のために健全な人を誘拐して成人病院に入れて社会問題になっていたらしく…いや待て待て!とんでもねえ事件だな!

カン・スアは、通りを歩いていると突然何者かにさらわれ、精神科病院に監禁されてしまう。そこでは強制的な薬物投与やむごたらしい暴力が横行しており、彼女は病院で起きたことを手帳に書くことにする。1年後、その手帳はテレビプロデューサーのナ・ナムスに届けられ、手帳に記された内容に興味を持った彼が、カン・スアに会いに行くと…。

前述したように精神病院描写がかなり怖く、特に途中でパトカーに保護されたと思いきや病院に戻されるところが絶望的すぎる。最初にスアが街中でいきなり拉致されるところも恐ろしい。あと最初の方で精神病院から保護された全身火傷の痛々しい男性もかなりキツいですね。しかも彼の腕には手帳に書いてあるのと同じタトゥーが入っており…おお!ワクワクさせる展開!

ラストは所謂どんでん返しがありまして、ここビックリはするんですけど、「え?じゃああれはどういうこと?」という別問題が出てきてしまい、ここのどんでん返しは正直いらなかったかな。しかし韓国映画は現代社会の闇を描かせたら最高峰ですね。どうしてもこういう作品ばかり選んでしまいがちだから、『愛の不時着』とかでも観ようかな。いや、愛の不時着がどういう内容かは知らないんだけどね笑。