誰もが知るアポロ11号の偉業。その船長であるニール・アームストロングを描いた物語。
簡単にこの作品を言い表わせば、アームストロング船長の偉業を忠実に再現した物語と言えます。見方によってはとても地味な物語とも言えます。
でもその奥には、しっかりと人の心が刻まれています。特に冒頭の5分、アームストロングが飛行するシーン。大気圏の手前まで行き、そこから地球の輪郭の美しさを感じる表情。セリフもないわずか5分のこのシーンで、この作品が何であり、アームストロングとは何者かを明確に表しています。これぞ技有りの演出です。
それがあってこそのラスト10秒のシーン。
ラストの二人の間のガラスは大気圏そのもの。遠くから見れば広大な領域に思えますが、近づけば直ぐにでも越えられる他愛もない隔たりです。
心が一つの方向に向かっていれば、思いは隔たりを易々と越えられるのです。
ああ、IMAXで観たかった…