R

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のRのレビュー・感想・評価

5.0
めっちゃくちゃ面白かった! 今年映画館で見る初映画! おそ! やっぱスピルバーグ最高やわー! ベトナム戦争を起こして、両国民を悲劇の泥沼に陥れたアメリカ政府、実は事前の分析の結果、負けることが最初から分かっていたという報告書が最高機密として存在していた。その名がペンタゴンペーパー。それを世間に公表しようとある男が持ち出し、ニューヨークタイムズに託して、内容の一部が記事になり一大センセーションになる。その様子を苦い思いで受け止めているのが、ライバル紙のワシントンポスト。記事の差し止めに手を尽くしてくるニクソン大統領にタイムズが手こずっている間に、ポストの主幹ベンも機密文書の全文をゲットしようとする。が、ポストにも政府の圧力がかかり始め、政界に親友の多い女社長キャサリンは、長い歴史を誇る会社の存続と報道の自由の間で大いなる決断を迫られる。何より素晴らしいのが、さすがスピルバーグとしか言いようのない気持ちいいくらい淀みのないストーリー展開と、静かにじわじわヒートアップしていくスリル! 軸になってる部分はすごくシンプルな話やけど、出てくる言葉の難しさや社会背景的なややこしさがあるため、ストーリーの骨子はつかんだ状態で見るのがオススメかも。ある程度知った状態で見たほうがスピルバーグ映画の渋さと情熱をより強く感じられる気がする。映像の美しさも一級品やし、ペンタゴンペーパーのページを揃えていくシーンのめまぐるしい演出とか、後半の畳み掛けるようなスリル満点のクライマックスの連続とか、まったく息つく暇なくワクワクが止まらない。見事! そして、予想通りスゴイのが、主演二人の演技。メリルストリープとトムハンクスの共演ってどんだけ豪華やねん! トムハンクス、なんかだんだんダミ声化していってる気するけど、演技なんでしょうか笑 トムハンクスにしては標準くらいの演技やったけど、もう何か普通におるだけですごい存在感。メリルはいつもながら圧倒的な演技力で心奪われる。声の演技がやり過ぎなくらいパーフェクト! 終盤はひたすら続くストライク演技にシビれまくり、けど、彼女の演技がいい意味で目立たないくらいすべての要素がハイレベル! テンション上がりすぎて、ユーモラスなシーンが出てくるたびについつい声出して笑ってしまった。スピルバーグの前作ブリッジオブスパイが、ヤバイとこまで行き過ぎて逆に地味に見えるくらい完成度が高かったのだが、まさかそれに匹敵、いや、下手したら超えてくるくらいの作品になっているとは…。己の使命を全うするということがどういうことかというテーマだけでなく、フェミニズム映画としても大変質が高かった! 日本も早くこのレベルのフェミニズム映画が出てくるくらい、女性自身が団結して女性差別から抜け出してほしい! ほんとに心の底から望んでます! 男の価値観に縛られてちゃダメだ! そして! そして!!! ラストシーンのラストショット!!! ぼくの大好きなあの映画のオープニングシーンじゃないすか!!! そこにつながるのかーーーーって鳥肌たった!!! 嬉しいことするじゃないスピルバーグ!非の打ち所なし! また見たい!
R

R