とりん

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還〈スペシャル・エクステンデッド・エディション〉のとりんのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

最初から最後までずっとクライマックスで、戦さの規模は映画史の中でも最大級。

個人的にはヘルム峡谷の戦いの方が好きだけど、このローハンの戦いも凄まじい。
ヘルム峡谷は圧倒的数のフリもあり、全てが長回しに描かれており、絶望からの勝利があったからこそのもの。
しかし今回のミナス・ティリスの戦いは、最終決戦ともいえる戦いであり、全人類が協力して戦わなければならないという結束の試練でもあるように思えた。
人間の結束なくしては巨悪には立ち向かえず、討ち亡ぼすこともできないのだから。
そして長らくいなかったローハンの王の帰還というのも大事な要素のひとつだと思える。
CGの力も圧倒的で、戦闘シーンはもちろんだけれど、滅びの山のシーンは観ていても熱を感じそうになる程。

幾度となく訪れる危機とフロドにのしかかる指輪の重み。
支えきれず何度も倒れ、指輪の誘惑によりずっと一緒にいた友を蔑み、悪を迎え入れようてしてしまう。
それでもサムは最後まで支え続けた。
「指輪は背負えなくても、あなたは背負えます」
このセリフにはやはり涙が出てしまう。
指輪の重荷を変わることなんて到底できず、フロドの使命を横で見守ることしかできなかったけれど、倒れこむフロドごと支え山へと向かうシーン。
幾度となく訪れる危機を乗り越えれたのはサムがいたからこそ。
もうひとつはゴラムの存在。身近にいて最後まで邪魔をしてきたが、指輪の1番の被害者はきっと彼なのだろう。
平穏な生活の中で指輪と出会い、魅了され、友を殺し、寿命を超えてもなお身体も蝕まれ、最後は指輪とともに果てていった。
指輪の恐ろしさを語っているのはやはりゴラムの存在だろう。

これだけの戦闘シーンを描き、劇中で死んだ人数も映画界の中でトップクラスだけれど、旅の仲間は誰も死なないという御都合主義な部分はある。
重要人物は何人か死んで行くけれど。

SEEだけあって観たことないシーンが多々あった。特にサルマンの最後のシーンは衝撃的、それとガンダルフとナズグルの首領が対峙するとこなど。記憶が曖昧な部分もあったけど。

久しぶりこのシリーズ作品を観て、各作品ごとに評価するというよりシリーズ一環として評価する方が正しいと改めて思った。そしてやはりこのシリーズ作品は自分の映画の中でも最も好きなシリーズだと改めて感じた。
とりん

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