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心と体とのkazu1961のレビュー・感想・評価

心と体と(2017年製作の映画)
3.9
🔸Film Diary🔸
▪️本年鑑賞数 :2022-445
▪️死ぬまでに観たい映画1001本-※※※

🖋コミュニケーションが苦手で自閉症?の若い女性マーリア(アレクサンドラ・ボルベーイ)と片手が不自由な中年の上司エンドレ(ゲーザ・モルチャーニ)の孤独な2人の恋。。。“触れ合いたい”という願望に素直に向き合えない2人の恋の行く末を描いた作品。ある意味“触れ合いたいけど、触れ合えない”2人の心情描写を静かに描く新たな切り口で、“ほんとの恋とは?”“触れ合うことの大切さは?”がより伝わってくる作品。人が繋がっていく様をこんなふうに表すことができるのかと、その脚本と演出に驚き。

🖋2人の間の“触れ合いたい気持ち”を超えられなくしてるのは、そのキャラクターの背景のお互いへの思いやり、その辺りの優しさが作品全体を包んでいるので、優しい気持ちになれる作品です。

🖋二人が出会うきっかけにもなった二人で見る同じ夢。。。森の中で寄り添って生きる二頭の鹿の世界はほんと清らかで美しい、不器用な二人を象徴しているのですが、その分無垢なのが愛おしくなります。

🖋本作、2017年ベルリン国際映画祭金熊賞、東欧の鬼才と呼ばれるイルディコー・エニェディのひさびさの長編作品です。人間の孤独に寄り添いながらも、自分の殻から一歩踏み出す勇気を与えてくれる優しい物語を描き出しています。

🖋クライマックスのネガティブなシーンで終わるのか?!と思った時の電話。。。優しい世界観を貫いてくれてホッとしました。。。

🖋それにしても“生の象徴”として描いているんだろうけれども、食肉牛の屠殺と捌くシーンは目を覆いたくなりましたけど。。。

😌Story:(参考: 公式サイト)
ハンガリー、ブダペスト郊外の食肉処理場。代理職員として働くマーリアは、コミュニケーションが苦手で職場になじめない。片手が不自由な上司のエンドレは彼女を気に掛けるが、うまく噛み合わず…。そんなある日、牛用の交尾薬が盗まれる事件が発生する。犯人を割り出すため、全従業員が精神分析医のカウンセリングを受ける事態に。すると、マーリアとエンドレが同じ夢を共有していたことが明らかになる。二人は夢の中で“鹿”として出会い、交流していたのだ。奇妙な一致に驚くマーリアとエンドレは、夢の話をきっかけに急接近する。マーリアは戸惑いながらもエンドレに強く惹かれるが、彼からのアプローチにうまく応えられず二人はすれ違ってしまう。夢の中ではありのままでいられるのに、現実世界の恋は一筋縄には進まない。恋からはほど遠い孤独な男女の少し不思議で刺激的なラブストーリー。

🔸Database🔸
・邦題 :『心と体と』
・原題 :『Testrol es lelekrol』
・製作国 : ハンガリー
・初公開 : 2017
・日本公開 : 2018/04/14
・上映時間 : 116分
・受賞 : 第67回ベルリン国際映画祭
金熊賞
・監督 : イルディコー・エニェディ
・脚本 : イルディコー・エニェディ
・原作 : ※※※
・撮影 : マーテー・ヘルバイ
・音楽 : アダム・バラージュ
・出演 : ゲーザ・モルチャーニ、アレクサンドラ・ボルベーイ

🔸Overview (参考:映画. com)🔸
長編デビュー作「私の20世紀」でカンヌ国際映画祭カメラドール(最優秀新人監督賞)を受賞したハンガリーの鬼才イルディコー・エニェディが18年ぶりに長編映画のメガホンをとり、「鹿の夢」によって結びつけられた孤独な男女の恋を描いたラブストーリー。ブダペスト郊外の食肉処理場で代理職員として働く若い女性マーリアは、コミュニケーションが苦手で職場になじめずにいた。片手が不自由な上司の中年男性エンドレはマーリアのことを何かと気にかけていたが、うまく噛み合わない。そんな不器用な2人が、偶然にも同じ夢を見たことから急接近していく。2017年・第67回ベルリン国際映画祭で最高賞の金熊賞をはじめ4部門に輝いた。
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