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はじまりの街のQvQのレビュー・感想・評価

はじまりの街(2016年製作の映画)
3.7
DVで辛い目にあっている家庭は少なくない。ただ運が悪いというだけではないかもしれないけれど、結婚前にわかることは少ないから、私はやっぱりたまたま一緒になった人からDVを受ける人は不運だと思う。全くではないにしろ、この母も息子も悪いところなんてないと思うのに辛い思いをしなければならなくなっている。本当に理不尽で不条理。

不条理という意味で言えば身を寄せた先の近所のレストランの店主も、こちらはどこまで本人の非かはわからないものの、自分の身に突然降りかかった災難で人生が大きく変わっていたりする。悪い奴には天罰をくだしたくなるのが人情だけど、彼も人柄からすればそんな辛い目に遭わなければならないような人物ではない。起こしてしまったことは許されないことでも、同情してしまうくらいの悲運さは持っていたりする。彼にも不条理感は少なからず感じる。

起きてしまったことはそれとして、それでも人は何とか生きていこうともがく。そこにはたくさんの壁もあるけれど、救いとなるようなこともあるものだ。この話ではそういうことを言おうとしてるのかなと思うから、暗くてしんどい話だけど、最後まで嫌にならずに観れる。生きてれば嫌なこと上手くいかないことも多いし、人生なんてその連続だったりするけど、やっぱり腐ってはダメで、前向いて生きないといけないな、と思える。

登場する人物も概ね普通だけど、母の友人はいい人だし、息子はきれいな子だし、話し的にもいろんな要素が盛り込まれていて単調でもないので、明るい内容じゃ決してないけど観ておいていい映画だと思いました。
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