いよら

26年のいよらのレビュー・感想・評価

26年(2012年製作の映画)
3.4
ちょっと前に観てたんですけど、レビューし忘れてました。

「光州事件」関連の映画、ではありますが、これまで観てきた関連映画とはタイプの違う映画です。
光州事件でキズを抱えて生きてきた被害者遺族たちが、光州事件を指導したとされる元大統領を襲撃し、謝罪を求めようとする話です。
光州事件は実話ですが、この襲撃自体はフィクション。でも、この映画が作られた当時っていうのはその大統領はまだ生きていたわけですから、そういった映画をつくるっていうこと自体がすごいと思いますね。大々的にその元大統領を批判しているわけですから。

意外と俳優陣も知っている人が多いです。ハン・ヘジン、チン・グ、ペ・スビン、イ・ギョンヨン。イギョンヨンは、ここ最近悪役が多かったので、また違った役柄で良かったですね。善人とも言い難いかもしれないですけど、信念を持って行動するカッコいい人ではありました。
そしてその元大統領役がチャン・グァンssi。これハマり役でした。雰囲気が似てますよね。あとなぜが彼を映す時に頭部からの映像が多いのも作意を感じてしまいました。


光州事件そのもののシーンはアニメーションで描かれるんですが、逆に実写よりも心に残ってしまいました。実写では描ききれない、アニメーションだからこその表現がわりとエグい。。でもこれが意外とリアルなのかもしれないと思ってしまいます。他の実写は少しマイルドにしたのかもと…。そしてアニメにすることでの現実味のない異質さっていうのも表現されてましたね。

26年経っても、被害者の心には消えない傷としてずっと残っているし、あの事件で生活が一変してしまったんですよね。
あんな凄惨な事件を起こしておいて、反省もせずにましてや自分のせいじゃないといったような雰囲気で、護衛に守られて生活している元大統領の姿を見てたら、なんなんだろうと思わずにはいられないですよね。もちろん、襲撃や暴力といった手段が正しいとは思わないですけど。でも、何らかの形で、謝罪なり反省なり、罪を認めるなりをしてほしいと思ってしまいますよね。
いよら

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