ーcoyolyー

ポリーナ、私を踊るのーcoyolyーのレビュー・感想・評価

ポリーナ、私を踊る(2016年製作の映画)
3.3
ボリーナを指導する先生たちは素敵だった。それぞれの生き方佇まいがその人の求めるダンスにちゃんと反映されてる。

ポリーナはなぁ…ボリショイ出てエクサンプロバンスに行くまでは「ああ、クラシックよりコンテやりたかったのね」でまだわかるんだけど、そのあとダンスがどんどん酷くなってって説得力まるでねえんだよなぁ…
エクサンプロバンスで先生が全身から楽しさが迸るダンスしてたの見たところが分岐点なんだろうけど、この子それまで敗北したことないんだよね。怪我して先生のダンス見て初めて挫折してどうしていいかわからない。才能に恵まれたことになってて(あんまりそう見えないけど)、挫折を知らない完璧主義者って一度折れると脆いよな。反抗期の彷徨いを経てまた戻るなり、自分の道見つけるなりはやればいいしアバズレになろうと踊りがよけりゃどうでもいいんだけど肝心の踊りが全くよくないので、これから没落してくばかりなんだろうな、としか思えなかった。
他人の振り付けではなく自分の踊りを踊りたいって、それまず他人の踊りをある程度まで極めてからじゃないと言えないよ。今やってることはただの逃げ。コンテ踊ってても菅井円加さんみたいなパッションの迸り方してる人がそれ言ってるんなら説得力も出てくるのにポリーナのダンス、ただ教えられた振り付けこなすのにいっぱいいっぱいで自分の中から何も出てきてないんだもの…コンテの本場ベルギーとイスラエルだから、ここでまた壁にぶつかったら次はまたむにゃむにゃ言い訳しつつボリショイ出なの匂わせつつイスラエルに逃げ込むのかなってことしか考えられなかった。

ってあのコンテの先生ジュリエット・ビノシュたったの!?全く気づかなかった!でもあの先生この映画の中で一番魅力的だった!流石!!!
ーcoyolyー

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